ハニートラップ05 | ナノ
女の子は誰でも甘いものが好きだ。

僕の妹たちだって、そうだし、今僕の目の前でドーナッツを頬張る彼女だってそうだ。甘いものを目にした時の瞳の輝きといい、口に入れた瞬間の"幸せ"そうな顔は、きっと女の子に共通のものなのかもしれない。かく言う僕も、姉妹の影響もあってか甘いものは好きだ。

(後輩の宮地君ほどではないけれど。)





「ふふ。幸せそうな顔しちゃって。」

「だって、すっごく美味しくって。」






…こんなに頬張って、子供みたいですよね。なんて照れる彼女もすっごく可愛い。わざわざ買いに行ってよかった。





「喜んでもらえて嬉しいよ。…そうだ、今度一緒に行かない?そのお店。」

紹介するよ、と言うと、良いんですか?と嬉しそうに笑った。

「…言っておくけど、これデートの約束だからね?」

「え。デート、ですか?」

「そのお店教える代わりに、デートって駄目かな?」

「…それじゃあ、私ばっかり嬉しいです。」








甘いものが好きなのは、それを味方につけて彼女と一緒にいれるから。

ちょっと我儘なお願いも、甘いものをダシにして、彼女にしてもらえるから。

甘いものを食べた、甘い君にキスが出来るからなんだよ。






「…うん。このドーナッツ甘くて美味しいね。」



ハニー・トラップ

Happy bith day Homare!