君が眠るまで05 | ナノ
君が頑張屋さんなのは、よく分かってる。でも僕としては、もっと頼ってほしいんだ。無理しないで、ちゃんと僕に言ってほしい。
今回だって、知恵熱出すくらい無理をして無茶して寝込んでしまった。そこまでにならないと、彼女は休んではくれない。それがとても心配なんだ。


「…どうして、寝込むまで頑張るの。」
「心配かけました。ごめんなさい。」


俯いて項垂れた彼女の頭に手を置いた。少しだけ上を向いて、僕を見た彼女と目が合う。
「誉さん?」
「今度はちゃんと、僕に頼ること。分かった?」
「は、い。」


「よし、お粥を作ったんだ。食欲あるかな?」
「ありがとうございます。」
「僕が食べさせてあげるね。」
「え?」


おろおろする彼女をよそに、あーん、してあげる。熱のせいか、素直に口を開けてくれた。凄く可愛い。


「でも、また頑張り過ぎたら、ちゃんと看病してあげるからね。」

今日は君が眠るまで、手を握っていてあげるから、ゆっくり休むんだよ。