例えばこんな朝に(梓月) | ナノ
…あぁ、どうしてこうなったんだっけ?
自分自身あまり動揺しないほうだと、自負していたが
流石にこの状況で驚くなと言う方が無理だ。
ここは僕の部屋だ。間違っていない。何が違うのか。
…先輩が隣で眠っていることだ。
「…え、と。先輩?」
「んぅ…。」
駄目だ、ゆすっても起きない。一体これは何の修行だ。
(いくら僕でも、これはちょっと…。)
それにしても、全く覚えがない。
ただお互い服は着てるし、事に及んだ形跡はない。
(安心したのか、残念なのか…。)
「先ー輩。起きないんですかー。」
「…」
「おーい。」
「…キス、しちゃいますよ。」
(一応確認しましたからね?)そっと、先輩の顔を覗き込む。すやすや寝息を立てた幼い横顔。
そっと顔を近づける。ほんの少しの罪悪感と、高揚感が募る。
頬に一回、おでこに一回、キスをした。
流石に口には、僕でも出来なかった。
「起きてください、先輩。」
「ん、…、ぁ、梓君おはよう…。」
「はい。先輩おはようございます。」
あ、なんか、一緒に住んでるみたいだ。毎朝、きっとこんな感じなのかな。
なんかこういうのって、くすぐったい。
「…え?あぁあ、梓君が、ど、して!?」
「あ、僕も覚えてないんですよ。でも何もなかったみたいなんで大丈夫ですよ。」
「何も、って、え?」
例えば、こんな朝
*Happy Birth Day Azusa!!2010
fin.
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