“正月は、日本で過ごせそうです”と、彼から連絡があったのは2週間前。突然入った連絡に、驚きつつ嬉しくて仕方なかった。もう何日も前から、カレンダーを眺めては指折り数え待ち望んでいた。


アメリカ発のボーイングが到着し、ぞくぞくと人が降りてくる。
探さなくても、すぐに分かった。
(あ、また身長が伸びてる。それに、一段と格好良くなった。)

どんどん近付く距離がもどかしくて、彼のもとへ駆けた。
彼が私に気が付いて、笑顔になる。手を振ってくれている。やっと会えた事に胸が詰まる。手を振り返すより先に、彼に抱きついた。

「梓君、おかえりなさい!」
「ただいま、先輩。…びっくりした、いきなり飛びついてきて。」
「ごめんね。会えてうれしくって。」
「まさかこんな往来で抱きついてくれるなんて。」


そこでハッと気がつく。周りに人がいっぱいで、視線も気になる。
今さらだけれど、ものすごく恥ずかしい事をしてる。

「ご、ごめん。今すぐ離れる、」
「駄目ですよ。僕すごく嬉しかったんで、まだ離しません。」
「あ、梓君!人が、見てるからっ。」
「…そんな事より、先輩を抱きしめる事の方が大事です。」

もう一度、ただいまと言ってキスをされた。

人目なんていいや。だって久しぶりに会えたんだもの。

“おかえりなさい”ともう一度ぎゅっと抱きしめた。
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