同じ布団で寄り添うように眠るとき、この時間だけは素直に甘えられる。

「…誉、さん。」
「ん、どうかした?眠れない?」
「あ、あの…ぎゅってして良いですか。」

「え?」

「えっと、あの、さ、寒いから、暖を取りたいって言うかっ。」
「ふふふ。いいよ、おいで。」

…良かった、真っ暗だから顔が赤いのも、慌ててるのも見られない。じゃなきゃ、こんなこと出来ない。
ちょっと近づいて、腕を伸ばしたら“もっとこっち”と引っ張られた。これじゃあ、私が彼に抱きしめられているようだ。…それでもいいか。

「月子さん、あったかい。それに、すごくドキドキしてる。」
「だ、だって。」
「緊張しなくたっていいのに。お願いしなくたって、してあげるよ。」


人肌って、どうして安心するんだろう。
きっと誉さんだから、安心するのだろうか。

そんなことを考えて、瞼を閉じたら、あれだけドキドキしていたのに、すぐに眠りにつけた。
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