「え、どうしたの?」 少し困惑した声が聞こえたので、慌てて顔を上げた。 「…たまには、私から羊君に抱きついてみよう、って。」 迷惑だった?と聞いたら、“全然!”斗思い切り抱きしめ返された。嬉しい、と言わんばかりの腕の強さに笑みがこぼれる。 「たまに、じゃなくて毎日でも良いよ。」 「…恥ずかしいから、無理だよ。」 今だって、凄く恥ずかしいのに。それを隠す様に彼細くしっかりとした胸板に額を押しあてた。ゆっくりと刻む心音が、心地良い。 「ふふ、残念。」 ちゅっ、とつむじにキスをされた。どうやら凄くご機嫌のようだ。 “たまに、だったら良いよ”と呟いて、ぎゅっと抱きしめた。 |