goodmorning:utpr | ナノ
春歌の寝息が首筋にかかる。何だかそれがくすぐったい。
ライブ公演で2カ月地方を回っていた。待ちに待った春歌との時間だった。久々に会えたのが嬉しくて、半ば強引に腕の中に閉じ込め、一緒にお風呂に入ったりして、彼女の温もりを存分に確かめた。気がついたらもう真夜中で、隣で眠る彼女は無理をさせてしまったためか、一足先に夢の中。

(…あー、ほんと可愛すぎる。)

これ以上隙間なんてない位、ぎゅーっと抱きしめた。少し苦しかったのか、顔を少し歪めて俺の方にすり寄り、また深い寝息を立てた。その姿が可愛すぎて、もうほんとに胸が痛い。

「春歌、すき。大好き。」

額、瞼、頬。順番にちゅっ、と音を立ててキスをする。
起こしたいけど、まだ寝かせてあげたい。なんて矛盾した事を思いながら。


「…ん、おとやくん?」
「あ、ごめん。起こしちゃったね。」
「ううん。大丈夫。」
「まだ、寝てていいよ。」

そう言って、彼女の唇に"おやすみ"のキスを贈る。
すると彼女は恥ずかしそうにしながら、“おやすみなさい”と瞼を閉じた。

(俺も、もう少し寝よう。)

さっきと同じように、首筋にかかる彼女の寝息を感じながら、自分も目を閉じた。