ひまわり咲く、夏08 | ナノ
夏、学園の花壇には大きなひまわりが咲く。
その水やりは、部活動に来ている生徒か教師がやっている。(もちろん琥春さんはやらない。)今日は、俺と水嶋が担当だった。

「水やり行くぞー!」
「陽日先生1人で行って下さいよ。こんな暑い中冗談じゃない。」
「何言ってんだ、水嶋。こんな暑い日だからこそ、外でだな…。」
「あー、ハイハイ。暑苦しいのは気温だけにして下さい。」


水嶋は無駄に背がデカイだけで、ガッツが足りない、ガッツが。
校舎から外に出ると、刺すような日差しに夏を感じる。これは、ひまわりも育つわけだ。

「こんな日差しの強い中、行けって殺す気ですか…。」
「夏って感じで良いじゃないか!」
「…僕夏嫌いなんで。」

ホースから出たみずは、すぐに蒸発する勢いだ。そりゃ熱いわけだ。でも水を浴びたひまわりは、水滴が反射して、生き生きしていた。

「陽日先生、水嶋先生、お疲れ様です。」
「あ、ちょっと助けてよ。こんな暑い中水やりさせられてるんだよ?酷いと思わない?」
「ふふ、確かに今日は暑いですよね。」
「おー、夜久。今日部活か?」
「はい、今日は午後からなんです。」
「そっか。暑いから気をつけろよー。」

夜久はひまわりを見上げ、眩しそうに目を細めた。

「…ひまわりって、陽日先生みたいですよね。」
「そ、そうか?」
「ああ、カラ元気な所とかそっくりだよね。背はひまわりの方が断然高いけど。」
「誰がチビだ、水嶋ぁー!!」
「ちょ、じゃれないで下さいよ。暑苦しい。」

そんな俺と水嶋を見て夜久は、くすくす笑った。
俺は、夜久の方がひまわり見たいだと思う。周りに元気を与えてくれるその笑顔は、まるでひまわりのようで…。