ラブレターを書いてから次の日の事だった。
この日は万事屋に行くつもりはなかったのに、新八くんから電話が来て誘われたからついついやってきてしまった。
どうやら銀時さまの親しいお友達の方が、かぶき町支店のお寿司屋さんで店長を務めることになったとか。
万事屋で落ち合った私達は4人でのんびりお寿司屋さんに向かった。
お寿司御馳走って、私も一緒にいいのだろうか……。


「いやァ待たせたな」
「お邪魔します」
「タダ飯っタダ飯っ」
「銀さん達も揃ったみてーだな!寒かっただろ」
「いや、んなことねー」
「お?そっちの御嬢さんは初めて見る顔だな」
「あっ…柴田伊智と言います。今日はお世話になります」

深く頭を下げると、男の人は「いいっていいって」と言いながら私の肩を叩いた。
顔をあげた向こうで、心配そうな表情のお妙さんと目があった。
小さく微笑んで頷いたら、納得のいかない様子だったけど頷き返してくれた。

「俺ぁ長谷川泰三。まっ、気軽にマダオと呼んでくれ」
「…どこからマダオ?」
「まるでダメなお寿司屋の店長からだな」
「それじゃダメじゃねーかよ!マイナスじゃねーか!」
「基本的マダオという名はマイナスしか持っていない」
「お嬢ちゃんんん!?前から思ってたけど俺に関してはいつもドス黒いよね君!腹ん中見てみたいわ!」
「そんなことよりお寿司ヨお寿司!!」

神楽ちゃんに手を引っ張られて、右からお妙さん・神楽ちゃん・私・銀時さま・新八くん・そしてお登勢さんとキャサリンさんに座ることになった。

うぃ〜ん
「キャッホォォォォ!!寿司なんて久し振りネ。何食べよっかな〜」
「あっ流れて来たわ」
「わ、すごくおいしそうなカッパ巻きですね。3人で頂きましょう」
「ウン!!」
「そうね〜」

うぃ〜ん
「おっ次…も…カッパ巻き。長谷川さんカッパ巻き得意なんですね!!じゃあコレ僕いただきます」

うぃ〜ん
「…………またか。まァまァ最初はカッパ巻き位が腹慣らすのにいいかもな…ウン」

カッパ巻きを食べ終えた私たちは、今度こそ違うものが出てくるようにと願うように流れる回転レールを見た。

「「「「……」」」」


「「「沙悟浄かァァァァァ俺達はァァ!?」」」


神楽ちゃんと銀時さまに、珍しく新八くんが加わってマダオに蹴りとパンチを食らわせた。
確かに、カッパ巻きがガンダーラまで続いていて…カッパ巻きしかないや。
銀時さまがご立腹していた時、マダオがぽそりと呟いた。

「俺ホントはまだ…寿司なんか握れねーんだよ」


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