「梅むすめ……」

「…え?」


洗濯物を畳んでいた伊智の隣で、銀時はジャンプを読みながら呟いた。


「私が、どうしましたか?」

「…いや。やっぱり思い出せねえなって」

「…そうですか」

「詳しく話してくんね?」

「え?」

「俺とお前の関係、一夜だけの関係とかではないよね?大丈夫だよね?」

「……いや、そ、それはないですけど…」


軽く頬を染めている伊智に銀時は血の気が引いた。
この手の女は意地を張ってでも傍にいるとか言い出すからな…。
ここ最近、いや、彼女が依頼してきてからずっと、銀時は自分を白夜叉と呼ぶ伊智の事が気になってしょうがなかった。
あまり過去の事は思い出したくない。白夜叉の頃の自分は、好きではなかった。



「悪い事言わねえから、俺に話してくれよ…な?」

「は……はいっ」



低い声で囁いた俺に、伊智はイチゴより真っ赤な顔して頷いた。
普段は積極的なくせに、こーいう時は恥ずかしがるのな。
俺は積極的な女ニガテだからそういうの大歓迎だけどね。



「……私がかぶき町にやってきたのは、1年前です。それはもちろん…その、し、白夜叉さまを探しに来た訳で…//」

「いやそこのくだりは置いておいてね」

「白夜叉さまを探しに来た理由は、私が住んでいたナシガ村に…8年前、白夜叉さま達がやってきたからです」

「8…年前、」






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