ナシガ村篇
イメージソング:天野月子「蝶」/ecosystem「ジレンマ」

まず、伊智と信長が深寅(みとら)星から地球に逃げてきた事から物語は始まります。
何故逃げたのか、そして二人の関係性、信長の現在の状況などは連載終了後に予定している原作沿い「紅桜篇」で詳しく分からせようと思います。
二人はナシガ村という一つの村に隠れるため村長に交渉をする事にします。
(伊智は赤ん坊なので当時14の信長が赤ん坊を連れてやってきました)
村長は天人の存在におそれますが、二人が子供という点・深寅族が非暴力派であるという話を聞いた点である条件を出して承諾しました。

伊智を子供が産めない夫婦に養女として差し出すこと。
信長を柴田家次男として暮らせること。

信長はそれから、伊智の両親となる夫婦の元へたびたび訪れることになります。
少しずつ成長していく伊智を観察するため、様子を見るため。
当時幼い子供だった兎姫は、信長を嫌っていました。
そして閉じ込められた部屋の中で、密かに信長を殺す計画を考えていた。
(文中にそのような記載はしていませんでした。後に修正しようと思います)
何故なら突如やってきた天人という存在に恐れ、自分が閉じ込められるような原因を持つ天人に憎しみを持っていたから。
そして信長も、そんな兎姫にうすうす気づいていました。

そんな関係が7年も続いた時、深寅族の在り処を嗅ぎつけて天人たちがナシガ村にやってきました。
伊智はそこで両親に助けられました。二人はそのまま村で死んでしまいます。
そうして辿り着いた先が信長の場所。
信長は再び村長の義兄にお願いをして、今度こそ伊智は次女として引き取られることになります。
兎姫は戸惑いを覚えました。この二人は確実に村を侵略する、と。

それから5年がたち、12の時に当時17(小説内の設定)の銀時たちがやってきます。
兎姫は彼らに強く惹かれました。にくい天人たちを滅ぼす攘夷志士という存在に、ついに信長を伊智を殺せる時が来たと。
それから毎日、自分が握ったおにぎりを持っていかせることを理由にして伊智を攘夷志士の元へ行かせました。
天人という汚れた獣の匂いに誰かが気付いて、伊智を殺してくれるようにと。
しかし半年がたっても殺されない伊智に、焦燥感を覚えた兎姫は自ら攘夷志士の元へ向かい伊智の正体を暴こうとしましたが、高杉・桂・銀時にうまく交わされてしまい伊智に連れられ失敗してしまいます。
この時既に伊智は白夜叉に恋愛感情を抱いていました。殺したいほど愛したいという、ある意味狂った感情を持っていました。
そして白夜叉も伊智の事を愛していた。
そのことに気付いた兎姫は白夜叉を憎み始めました。
天人を愛する人間が攘夷志士なんてバカげている、と。

神御越しが始まる直前、信長がクーデター的なものを起こしましたね。
攘夷志士の元に伊智が出入りしていることを知って、信長はさまざまな天人に交渉をしていました。
そしてその日ついにそれがかなったのです。
兎姫が恐れていたことが起こり、そしてその兎姫は殺された。
信長の全て思う通りになりました。あの時屋敷で寝ているように言ったのは、死んでほしくなかったから。
そして信長は消えました。
取り残された伊智は何も知らず村長の思うままに使われました。

そして15の時、再び白夜叉に出会います。
あの時白夜叉に見放された事に対して多少の恨みもありますが、それよりも愛の方が勝ってしまいました。そして異常なまでに執着心を持つようになります。
5年過ぎ20になった時、伊智はある儀式を行われます。
背中に蝶の焼き印をつけられるという残酷な儀式。
12のときに村長の妻が言っていた「あと8年すれば…」というのはこの儀式の話です。
しかし実際に予定していた儀式は兎姫の背中に左羽、伊智の背中に右羽を焼き付け「生贄の儀式の痛みを二分する」という意味を込めていましたが、生贄の兎姫が死亡したことにより、急遽伊智の背中に蝶を付けることになりました。

その結果亡霊となった兎姫が伊智の前に現れるようになり、離れられない"共同体"にされてしまったということです。


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