「あの人を殺したいほど愛してる。だから殺さない」




「伊智っ…!!」



「!?貴様、昨日の!!!!!」
「曲者だァァァァ!」
「「「「「「「わァァァァァァ!!!」」」」」」」」
「どけテメェら!!!!」
「っ…伊智のことはもういい!あの男を潰せェ!」
「「「「「「はい!!」」」」」」
「…俺は伊智のとこに行かなきゃならねェ。だからさっさとかかってこい!!!!」





「銀時さまを殺してしまったら、私はあの人を愛せない」
「…はっ。屁理屈だね、そんなの」
「屁理屈よ。…屁理屈並べてでも、あの人を愛する理由がほしい」
「……っ結局アンタは白夜叉を利用しているだけにすぎない!!そうやって自分を正当化しようとしてるだけだ!!」
「いい!!!それで…いいっ………銀時さまの傍にいれるなら…自分がどんなに悪党だろうが、世界一の大泥棒だろうが、殺し屋だろうが、悪魔だろうが!!!」





「ぐわっぁ…」
ドサッ
「…はぁ……はぁ…」
「銀ちゃん!」
「伊智さんいました!!」
「!?なっ、しまった…」
「はぁ…おい、お前ら……今すぐ行くから、その邪魔な縄切っとけ!!」







「美しくもないただの醜い蛾になっても、私は銀時さまの傍にいたい!!!!!」






「ぐ…あぁ…やめ…て…!伊智!!!」






ギラリ、と伊智の眼が一瞬真っ赤になった瞬間、目を合わせていた兎姫は顔を覆った。






「…消えて、兎姫。もう……アンタはいらない」
「ぐあぁぁ…っ!あづい!!!顔が!顔がァァァァァ!」
シュゥウウウウウ…
「最期くらい……私の大好きな、兎姫のままで…いて」
「いや”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」








「お姉ちゃん……っ」



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