「またあなたですか、もう」

「ふん!毎日でも邪魔してやるわ!」

「あ、伊智さんおはようございます」

「おはよう新八くん」

「ちょっとメガネ坊や。私に挨拶はないの?」

「さっちゃんさん、おはようござ 神楽ちゃん!ちょっとちょっとー」

「おい。なんで最後まで言わなかった。おい」


新八は押し入れから落っこちて寝ている神楽に駆け寄った。
それを横目に微笑みながら伊智は朝ごはんを作り、その真横でぐちぐちと何かを言っているさっちゃん。
ここの主である銀時はまだ爆睡中。


「んー…おはようヨ、伊智」

「おはよう神楽ちゃん。顔洗っておいで。新八くんは、ちょっとご飯注いでくれる?」

「わかりました」

「ちょっと、あなた。名前ぐらい言いなさいよ」

「今更かよ。柴田伊智です」

「おい、ちょっと本音漏れてたぞ。おい。伊智…さん、ふうん」


さっちゃんを置いてスタスタと寝室に入って行く伊智に慌ててついていく忍者。それでいいのか。


「銀時さま、おはようございます。朝ですよー」

「んー…がぁあー…ぐあああー」

「ふふっかわいい」

「銀さんがかわいいのなんてね、もう生まれる前から決まってることなのよ。そうよね神様」

「銀時さま、起きないと朝ごはん食べられちゃいますよ?神楽ちゃんに」

「ぐああー………あああー…かああえ…れええええ」

「くすっ…まだ起きない。銀時さーま」

「かあああええええれえええ…ぐああああ」

「ちょっと伊智さん、銀さん魘されてるじゃない。そんな肩揺らさない方がいいんじゃないかしら」

「うるさいですメス豚」

「ふんっ心に響くのは銀さんだけのメス豚って言葉だけだもんね!」

「かああああ…!!!え、れええええ!…ぐああああ」

「ぎーんとーきーさー」

「帰れええええええ!」


銀時の肩を揺らしていた伊智は、叫びながら飛び起きた銀時をみてニッコリと笑った。


「いやさ、銀さん今二日酔いなの!疲れてるの!!寝たの3時間前なの!」

「ダメですよ銀時さま、ちゃんとした生活を過ごさないと」

「あのさァ長谷川さんがさァ!」

「ぶつくさ言ってないで。はい、お着替えです」

「今だって吐きそオボロロロロ」

「銀ちゃんご飯できてアrオボロロロ」

「ええええちょっと神楽ちゃんん!?なんでもらいゲロォォォ!?くっさ!!!朝っぱらからくっさ!!!」

「あーあ…銀時さまと神楽ちゃんは今すぐ残りを吐いてきてください」

「ちょっお前俺がトイレ先に入んだよ!」

「何言ってんだヨ銀ちゃんのせいでもらいゲロしちゃったんだからね!!」

「知ってるんだからな!銀さん知ってるんだから!昨日俺が残しておいた焼き鳥こっそり食べてたの知ってるから!」

「あんなところにこれ見よがしに置かれたら誰だって手を出すアル!ほらそういうこというから焼き鳥の胸やけの気持ちまた思い出して吐きそ…オボロロロロロ」

「お前らいい加減にしろおおおお!家がこれ以上酸っぱくなったら収集つかんわ!神楽ちゃんはお風呂場で吐いて!ほら、早く!」

「とりあえず雑巾雑巾っ…と」



「待ちなさいよ!」




賑やかな万事屋で、さっちゃんが大きな声を出した。
銀時、神楽、新八は気にも留めず騒いでいたが一番近くにいた伊智は、後ろを振り返った。



「はい?」

「はい?じゃないわよ。何、あなた普通にここの一員みたいにいる訳?レギュラー気取りでいる訳?」




- 35 -

[] []
back