「お主にお願いをしに来た」

「お願い…ですか?」

「銀時の傍に、いてほしいんだ」

「…え」

「あの頃の俺達は、今は互いの大切なもののために戦っている。それが衝突するときは、そう遠くはないだろう。思うことはみな同じのはずだが、俺達には守るべきものも守ってもらうものも増えてきた。それのためなら昔の同士を斬る事も、恐れてはいない」



桂はゆっくりと腰元にぶら下がる刀を撫でた。




「俺にももちろん、大事な仲間が増えた。守るべきものも、また…俺が道を見失ったときに、手を差し伸べてくれるものもできた。きっとそれは高杉も、辰馬も同じであろう。………だが、銀時。あいつだけは、ただ守るものだけがどんどんと増えていくだけだ。その度に危険に晒されていくのは見ている俺も…辛い。あいつにだけは、行き場をなくしてほしくない。伊智……お前が、銀時の帰る場所になってほしいんだ」

「でも私は、銀時さまを…守ることも、暖かく迎えいることもできる自信はありません」

「伊智はなんのために、ここにやってきたのだ?」

「………それは、言えません」

「ナシガ村の件……悪いが少々、村の歴史や柴田家の掟などを調べさせてもらった」

「!!へェ……暇なんですね」

「今も続いているのだろう。神の御越しという行事は」

「………めて」

「かつての生贄だった兎姫殿はあの日焼身死体となってしまい今はいない」

「やめて…」

「と、いうことは。若くてあの時生き残っていた柴田家の女は」

「いやだ」

「血は繋がらなくとも、伊智殿の事だろう?」

「やめろっっっっっ!!!!」



伊智は桂の右手を掴み、勢いよく立ち上がり壁まで追い詰めた。
しかし桂は顔色一つ変えずに、自分の右手を掴む伊智の腕を左手で掴んだ。



「やめるのはお主の方だ。………伊智、いいか。絶対に、もう銀時から離れようとするな」

「私の勝手でしょう?あの人から見放されたら、傍にはいたくないの。その時は潔く村に帰るわ」

「それはつまり、自分の人生を捨てるということだな?何故お主がここに来たのか、それは」



ガララ



「なーにしに来たんだよヅラ。早く帰れっての」

「…銀時さま」

「まあ、そういう訳だ伊智。銀時もまた今度お菓子もっていくからね」

「お菓子だけおいて帰れ」


桂はそれだけ言いながら万事屋から出て行った。後を追うようにエリザベスも。



「まったく、伊智は相も変わらず銀時を大切に思っているのだな」

"でも気まずかったですよ。居間"

「なんだ。俺と伊智がいない間に、喧嘩でもしたのか?」

"会話がずっと聞こえてました"

「ふむ、そうか。それなら抜かりない。」




あいつに聞こえるように言ったのだからな。





111123
ちょっと意味がわからないですね


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