「兎姫さまは自分の事がお嫌いでいらっしゃいました。村の人達は兎姫さまを信仰し、愛されていた。だけどあの人は、"みんな私じゃなくて神様仏様しか見ていない。結局私を知る人なんて、誰もいない"いつもそう言っていました」 「へぇー」 「私、そんな兎姫さまが好きだった。完璧じゃない兎姫さまが………。じゃないと、そうじゃなかったら、私は兎姫さまに嫉妬して殺していたと思うんです」 「殺す?」 伊智は銀時の肩に寄りかかって、ゆっくりと左の掌を銀時の左胸にあてた。 「人の命は重く、そして容易くなくなるもの。私、村の用心棒でもありましたから、人を殺す程度の能力は兼ね備えているんです。」 「そうかい」 「えっと、その///銀時さま…胸がたくましいのですね……///」 「いいから早く話続けてェェェ!そしてこの手どけてェェェ!こえええよ!」 「それから私は兎姫さまの事を、お姉ちゃんと呼ぶようになりました。兎姫さまからの命令で」 「話を普通に戻すのかよ…って、抱きつくな!!!」 そんな日常を送っていた時。 白夜叉さまと私は出会いました。 銀時さま、私頑張ったでしょう? あなたが言ったんです。「地獄から這い上がってみろ」と。 その優しい手で私の頭を撫でてください。 ねぇ? 20111121 柴田のデフォが柴田なので、伊智が信元に名前を言う時はやむなく「柴田(むらさきた)」と読ませました。申し訳ございません。 柴田以外の名字に変換された方は伊智の頭がいかれてるってことにしてやってください。 追記:母親の「ほら、生きなさい。早く」は誤字ミスではありません。 [←] [→] back |