002

「あ、メール来てる。ゆっきちゃー……あ?」

ぱか。
フォルダを開いたそのとき!

「白猫村の子猫ちゃんへ」

マナちゃんの目もかっ開いたのだったー

その内容とは。

「色白の狼ちゃんは預かった!
返してほしくば 小岩井のブドウジュースとさとうの切り餅と名菓・ひよこを持ってくるように★
黒猫村のしろたくんより」

というもの。

「……」

しばらくフリーズしていたマナちゃんではありましたが。

「……しろたぁああああ…」

怒りで我に返ります。

「今頃ゆきちゃんにあんなことやそんなことを…
ああうらやましい、じゃない、ああうらやましい!
じゃなくて、許すまじ!者共出合えー!」

妄想ハンパないですが、確かに一大事ですね。

それにしても猫に捕まる狼というのも間抜けな話ですが相手はか弱い女の子。
仕方がないんですねー。
というか早く助けに行かなくては雪姫ちゃんの貞操が!

「待っててゆきちゃん今行くわー!」

小岩井のブランデーと、納豆からませた切り餅と、名菓・すこんぶをバスケットに突っ込み、ダガーナイフを忍ばせ、マナちゃんが出動します。

「マナ、どっか行くの。俺もついていこうか」
「あっマキ兄!」

外へ出ると、すぐドアが開いて真生くんが出て来ました。
バスケットからダガーナイフがチラチラ見え隠れしているのが目について気が気じゃない様子です。

「今、城多ぶっ殺しに行くんだけど来る?」
「え、何が起きたの。一大事じゃん」
「ユキちゃんが捕まっててさ」

ダガーナイフの理由をタグ理解。
それにしても物騒な妹ですね。

「あーそういうこと…じゃあ、ふじしろあたりも呼ぶ?」
「いーよあんなもん使えねーし」←
「あはは…殺気立ってるね」

仮にも一国の主に対してあまりな発言ですね。
聞かれたらやばいですよ。
作戦はどうするのか等と話しながら少し歩いて行くと、公園でぼーっとしている怜君を発見。

「あ、怜じゃん。あんたも来なよ。暇でしょ」
「暇じゃねぇし面倒くせぇし」

怜君は、妹溺愛兄貴二人に(珍しくも)マナちゃんに近づくことを許されている唯一の男の子です。

「てゆうかマナちゃん、こいつ黒猫…」
「大丈夫、害ないから」
「いや、そういうことじゃなくて今から黒猫と戦争するんでしょ」
「うん、城多の首を取りに行きます」
「首……いや、だから黒猫側の彼の為にだね……聞いてないね…ほんと毎度ごめんね〜妹が」
「はぁ…まぁ慣れてるんで…ああ面倒くせぇ」

色々と引いてるマキ兄をお供に、そしてナレーションを下ろされ暇していた怜君も無理やりお供に、マナちゃんは黒猫村へ向かいます。

キッチンに一人マオ君を置いてきたことを思い出しそうで思い出さなかったマナちゃんでしたが、気のせいだと片付けて先を急ぎます。
結局また一人でお留守番になってしまったマオ君の出番は……おそらくないでしょう。
そうして一行は山を下り谷を越え…

黒白の境である、オセロの関所(笑)までやってきました。

ここで必要な入国手続き(お金払うとか難しい書類書くとか)をして、審査を通れば反対勢力である黒猫の国へ行けるという仕組みなんですね。

「あ、萩谷君。こんにちは。黒猫村まで出張ですか。あ、まな板…じゃない、マナさんも…お疲れ様です」
「今まな板つったか、おい、のびたオイ」

雑兵として駆り出されているのは生徒会長ののび太くん(本名忘れました)。
うっかりマナちゃんの異名(いっそ通り名)を呟いたからさぁ大変。
のび太くんの真っ白なワイシャツが真っ赤に染ま…

「マナキチよ、大事なユキちゃんとやらのとこに急ぐんだろうが。早く判押してもらわねーと」
「わ、わかってるよ!会長、大人三枚!」

真っ赤に染まるすんでのところで何もされずにすみましたね。
怜君の的確なフォローにより、マナちゃんは大人しく500円を差し出します。

「え?…おとな…?あ、ああハイハイ大人2枚、子供1枚…400円でいいですよ」
「割るぞメガネ」

お寺の拝観料みたいな金額を押しつけ、一行は関所を通過。

のび太くんに見送られ、とうとう三人は黒猫村の入り口にやってきたのでした…!


つづく!
 

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mokuji
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