001

昔々、ある国にまな板…ではなく、赤い頭巾をかぶった女の子が二人の兄と住んでいました。
名前は、まな板…ではなく「真南」といいました。
シスコンの二人の兄からベタベタに愛され嫌気がさす毎日にそろそろ飽き飽きでしたー

真生「おい!ナレーションちゃんとやれッ」
怜「……まな板…」
真王「台本にねぇだろそんなセリフ!」
怜「断崖絶壁…」
真南「キィイイむかつく!」
雪姫「私の出番来るまであとどれくらいかなー…」
騎由「王子の出番まだ?」
真南「童話違うし、一人でやってろし」
騎由「じゃあ遠慮なく」
雪姫「ちょっ!?何なに顔近!」
騎由「白雪姫のー目覚めるシーンを」
雪姫「終盤じゃねぇかよ(重低音)」
真生「うわ声低っ」
騎由「お手をどうぞ姫」
雪姫「ばかじゃない?」
真南「こらー!勝手に始めるなっ」



……気を取り直して。
昔々(かどうかはわかりませんが)、あるところに白猫たちの住む国がありました。
その国の外れの小さな家に赤い頭巾をかぶった可愛らしい少女が二人の優しいお兄ちゃんと兄妹仲良く暮らしていました。
二人のお兄ちゃんは顔も声もそれはそっくりな双子だったので、国のみんなはどちらがどちらなのか見紛うほどでした。
まー確かにカッコイーかんじではあるのですが如何せん妹のことしか考えていないシスコン兄貴だったので、一部の熱心なファンならともかく、周囲には遠巻きに見られているのは確実でした。

そんなある日のこと。
早朝・5時。
萩谷家の朝は早いんですねぇ。
朝の弱い兄マキの分を覗いた二人分の朝ご飯を作りながら、弟マオ君はご機嫌でした。

「まーな、今日暇?」
「うん、特に用事ない」
「マオ兄とネズミーシー行かない?」

そして、鬼の居ぬ間に…ではないですが邪魔者が居ないことをいいことにマオ君がマナちゃんを遊びに誘います。

「え…ごめん、この前マキ兄とユキ狼ちゃんとランド行ってきちゃった」
「は!?何だよまたマキかよ…童●ヘタレのくせにこういう誘いだきゃ早いんだよな…」

断られたことよりも兄に先を越されていたことに対して悔しそうなマオ君。
そして間髪入れずにお兄ちゃんをディスります。
日課なのです。
うちは全年齢対象の健全ほのぼのサイトなのであまりシモネタな発言は控えていただきたいところですが…

「てか、狼!?いつ知り合ったんだよ危ないだろっ」

おっと、最後も聞き逃さなかったようで。
ここで早くもシスコンスイッチが入りました。

「おとなしい女の子だから大丈夫だよニーチャン」
「食べられちゃったらどうすんのお兄ちゃん生きていけねえよ!」
「生きていけよお兄ちゃん頼むから」

早速うざがられていますが…。
お兄ちゃん、聞いてません。

「大事な妹を危険な目にあわせるよーなマキとじゃなくてマオ兄ちゃんとランド行かない?」
「んーパス」
「!!!ガーン!!!」

それにしても朝からマオ君と話すのは骨が折れますね。
疲れてきたし、そろそろユキ狼ちゃんも起きた頃だろうし、メールが来ているかもしれません。
キッチンの隅でのの字を書く兄は放っておくことにして、マナちゃんはお部屋に戻っていきました。

16/17

*prev next
mokuji
しおりを挟む
index
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -