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私がここまで話かけるとは意外だったのだろう。
城多は目を丸くして、少し考えるように首を掻いた。

「さっきの話だけどさ…みんな暴れたいからでしょ、誰しも非行に走りたいときくらいあるよ。その居場所があるからみんな黒猫に入るし黒瀧についてくんだ」
「違う。みんなじゃなくて、あなたはどうしてって話」

私にちょっかい出して、何が楽しいんだろうとか、不良のくせにとか思う前に、単純な疑問だ。
多分、カフェでのバイト中にさり気なく私をフォローしているのに気づいてしまったからだ。
飄々として掴みどころのないこの男が固執する、理由。

「理解できない?」
「平和主義の私には理解できません。不良が格好良いなんて時代、私にはありませんから」

「平和主義ねぇ…その割に突っかかるよね。怖いもの知らずっていうか」

苦笑する城多にうっと言葉を詰まらせた。
そう。それが、私の悪い癖だ。
間違いを根底から直そうとしてしまう。
そう願ってしまう。
しゃしゃり出てどうなるんだ、ということも、我慢できないときがある。
特に男性において、自分の中には妙な「猜疑心」があるのだ。

「ま…見え方は人それぞれだからね。居場所なんかなくても君は大丈夫みたいだけど」

おそらくは物覚えついたときから。ずっと。
 

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mokuji
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