004

「嫌いだったんですか?話しぶりを見るに、凄く好きだと伝わってくるのですが」
嫌いならば、彼女の話をするときに穏やかな顔はしないはずだ。それに、昔話でエスタリアの話が出てくると、生き生きとしていたのをよく覚えている。
「ええ。大好きよ。……だってエスタリアは私の姉だから」
「そうで……え?」
今、お祖母様は何と言った?
さらりと向こうが言うから、同じ様に返すところだったが、間違いなく姉という単語が聞こえた。
「ええぇっ!?本当ですか!?」
エレーナは、驚き過ぎていつもの雰囲気が消えていた。そんな孫娘を見てレインは苦笑いした。
「驚きすぎよ。何故魔術師でもないのに貴女が選ばれたか、考えなかったの?」考えた。何故、と。
だが、これで解決した。自分の身体には、魔術師の血が流れていたのだ。
「私、その話を聞けて良かったです。まさか憧れのエスタリア様と血が繋がっているなんて思ってなかったですから」
驚いたけれども、嬉しかった。
それが顔に出ていたのだろう、自然と笑顔になっていた。
レインとライルは、一瞬だけ目を見開くと微笑を浮かべた。
「貴女の笑顔、久し振りに見たわね。…エレーナ、祭司を通じて何かを得られることを願っているわ」
レインはエレーナの頭を撫でると、長官室を出ていった。



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