戦勝祝いをしませんか?
そう言ったのは菊だった。



栄光の日



カンパーイ!
枢軸国の要として動いていたルートヴィッヒの音頭のもとに祝杯があげられ、開催地である日本に則った言葉で皆が口々に乾杯を叫ぶ。8月17日の照りつける陽射しの中、戦勝祝いの宴は始まった。

「戦勝祝いをいたしませんか?」

そう言ったのは菊だった。それを聞いたフェリシアーノはきょとんとし、ルートヴィッヒは顔をしかめた。ギルベルトとロヴィーノは大人しく沈黙を守り、エリザベータは少しだけ顔を曇らせた。ティノだけが迷った末に声を出した。

「戦勝祝い、ですか?」

あたりを漂う空気から、己の言葉が足りていなかったことに気づいた菊は慌てて手を振る。ひとりひとりに目線を流しながら、違うのですと釈明する。

「頭が、とかそういうのではなくて。あの、その、私たち枢軸が敗戦を記したことは百も承知です。そうでなくて。あの時からいろいろと情勢も変わりましたし、皆で集まれる機会なんて、と、ええと、」

ごっこ遊び、なんです。あの大戦で



2014/06/21 17:23(0)

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