[ダッツ]

ボロいアパートの一室は、男二人で住むにはかなり小さい。そんな窮屈な空間に今日も二人。

「ダッツ様!やっと会えました!」

「俺様は、この瞬間のために生きてる気がするぜ!」

赤貧芋を洗うがごとしじゃ少しばかりすまないような貧乏生活、頑張ったご褒美に買ったダッツ様を、私達は仲良く二人で半分こする。現代にあるまじき、雨漏りのする部屋で。

「…うまいです」

「…滅茶苦茶うまいな」

働けど働けどお金はたまらないが、この生活が嫌いじゃないのは、こうして共感してくれる誰かがいるからかも、なんて思ったり。





(…もったいないですよね)

(…いや、でも蓋を舐めるのは大人としてどうかと思うぜ)

(………もったいなくないですか?)

(………本田)

(…さようなら、私のダッツ様…)





2013/10/31 12:47(0)

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