「私の知人の話です。その人には、大の親友がふたりいました。いつも3人でつるんでいたんです。その人とふたりの親友は大学が別でしたが、連絡もこまめにとって仲良くしていました。その人は、ふたりのことをとても大事な友人だと思っていました。そして、彼らもそう思ってくれていると。ですが、ふたりの親友のうちのひとり…Fくんとしますね。彼は、そうじゃなかった」 「……」 「Fくんは、その人のことをずっと好きだったようです」 「、それは」 「ええ、御察しの通り。どちらも男で、念を押すなら、恋愛感情として、の好きだそうです」 「…………そうか」 「こないだ会った際に、仲良さげに見えたらしいその人とその人の幼馴染みの関係に嫉妬したFくんに、その人は襲われかけたそうです」 「……そんで?」 「もうひとりの親友のおかげで、貞操は無事だったそうです」 「……お前なら、襲われても返り討ちにできただろ」 「私じゃありません。その人は、大事な人だから殴りにくかった、と」 「お前なあ。そんなんだと、ペロッと食われちまうぞ」 「私じゃありません」 「いっそ、俺と付き合ってることにするか?」 「ギルは嫌です」 「……。じゃあ女と付き合えよ」 「『女の子じゃ物足りない身体にしてあげる!』と。あと、相手がいません」 「……」 「生粋のイタリア人なんですけど、普段の軟派さ具合からは想像もできないくらいのヤンデレオーラでした。ヤンデレは好きなんですけど、ここ、三次元ですし。さらに言うなら、あなたや耀さんにすら嫉妬されると身がもちません」 「お前、男タラシだからなぁ」 「なにか文句でもあるんですかタラされ1号」 「いえ、何でも」 2014/02/11 23:20(0) |