・ 「英米キター!」 「馬鹿かい君は!どこをどうみたらそうなるんだい!」 「どこをどうみてもそうじゃないですか逆に何を言ってるんですかアメリカさん。」 「いやいやいや、俺はイギリスなんかこれっぽっちも好きじゃないよ!俺が好きなのは日本!Do you understand?」 「のーぷろぶれむ、ですよアメリカさん。大切なのは心の目で見ることです。」 「問題ありまくりじゃないか!君の心の目は腐ってるんじゃないのかい?」 「ええ腐ってますよ。今流行りの腐男子ですから。」 「本当に腐ってるのかい!なんてこった!」 「相変わらずアメリカさんはオーバーリアクションですね。大げさです。あ、イギリスさん。」 「よっよう日本!元気してたかっ?」 「ええ、イギリスさんもお元気でしたか?」 「も、もちろん!英国紳士たるもの、自分の体調管理ぐらいできてないとな!」 「イギリス邪魔だよ、どっか行ってくれよ。」 「お前は開口一番にそれか!」 「そうですよアメリカさん。ツンデレはイギリスさんの専売特許なんですから。」 「ツンデレ…?」 「まだそれを言ってるのかい。」 「ええそりゃあ。」 「なんのことだ?」 「…あれですよね、米英もありですよねぇ…無垢に聞いてくるイギリスさん萌え。」 「もえ…?」 「あぁもう!ほんっとうにイギリス向こうへ行ってくれよ!話がややこしくなるだろ!」 ・*・*・*・*・ すきだよ、すきすき、だぁいすき。あいしてるんだ、すき、なんだよ。…君に恋、してるんだ。 君はずっと楽しそうに、俺じゃない人と話してる。雰囲気は軽くて、表情も砕けてて、普段よりよくしゃべってる君は、俺の視線に気がつかない。 こっち向いて、俺と目が合えばいいのに。 そうすれば、君と俺を隔てる距離なんか、きっとすぐ関係なくなる。 目は口ほどにものを言う。そうだろ? こっち向いて、俺の目見て。 そうしたらきっと、話なんかしてられなくなるから。 ・*・*・*・*・ ねぇジャンヌ。君にあいたい。 『彼女』が亡くなった日は、必ずフランシスは一人で部屋にこもる。 「―君に、会いたい」 扉の向こうから聞こえた声は愛しさを過分に孕んでいて、菊は死にたくなった。 扉を叩こうとしていた手を下ろし、くるりときびすを返して足早に立ち去る。 叩けなかったドア。聞きたくなかった、声。 諦めなければならないと、思った。 「君に、会わせたい人ができたんだ。」 ベッドに座り、祈るように手を組んだフランシスは幸せそうに言った。 「俺のファム・ファタール。一生愛してる。でも、俺は菊に恋してる。 なぁ。俺は今、幸せだよ」 だから、これも今年で最後にするつもりなんだ。ごめんね。 微笑んだフランシスはと彫られたシルバーリングに口付けた。 (貴方が幸せで、よかった) そんな声が聞こえた気がした。 外は雨が降り始めていた。 2013/11/09 22:25(0) |