7月4日

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-----たんていだんのみんなとわかれたあとはいいろのひとにあった。きょうはおおきいかばんはもっていなかった。
おとうさんがよろこんでたことをはなしたらいつでもよんでといわれた。
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-----きょうのよるはあかいひともしろいひともきいろいひともでかけてる。
はいいろのひとだけがうちにいてしゅくだいをおしえてくれた。だからおとうさんとたくさんあそぶことができた。
もっとおとうさんとあそびたいけどあしたたんていだんのみんながくるからはやくねよっと。
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少年探偵団として依頼を受け、依頼人である開人くんのお父さんが大家をしているアパート"木馬荘"にやってきた翌日土曜日の昼。
だがアパートがあるはずの場所は、焼け切った黒い柱と焼け切らなかった家財道具のみが残る跡地となっていた。

開人くんは火傷を負い、大家である開人くんの父親は大火傷。両者共に病院で治療を受けている。

その他住人は四人。
内三人は事件当時外出、一人は火事に巻き込まれたが軽い火傷のみで事済んだ。
外出をしていた三人は成人済み、それぞれ朝に帰宅をしたところアパートが全焼していた。

そしてその現場から発見された開人くんの日記に書かれた"赤""白""黄色""灰色"の色の文字。
前日、住人のうちに怪しいことをしている人がいることを聞いていた少年探偵団は、その色の中に放火犯人がいると疑った。
実際その日記には"黄色"なる人物が開人くんのお父さんと口喧嘩をしていると書いてあった。
だが住民のいずれにも色を連想させる容姿、職業は見当たらない。
犯人は"黄色"だとわかったが、それが一体誰を指すのか、謎は明かされないままだった。


祈梨 なまえ
高校生、17歳
制服を着て、布に巻かれた長物を両手で抱きしめて
顔には大きな絆創膏、手や足の所々にも包帯が巻かれていた


「夜は開人くんが宿題教えてって部屋にきたから、私の部屋で教えたの。お父さんといっぱい遊びたいから宿題を早く終わらせたい、って言ってたよ。」

「そのあとどこかに出かけたりしなかったの?」

「私、一人で暮らしててもまだ未成年だから遅くに出歩くと怒られちゃうの...。昨日も開人くんの宿題教えたあとは次の日の出かける準備だけしてすぐに寝ちゃったよ。...本当は今日、習い事に行く予定だったの。」

「じゃあ火事に巻き込まれた住人てお姉さんのことだったんだね。怪我もいっぱいしてるし。」

「...そうだね。焦げ臭いので目が覚めて、携帯と制服と、あと両親の形見だけ持って部屋から出たの。」

「お姉さんが抱えてるそれが大事な物なんだね。怪我してまで持ち出すくらいだもん。」

「うん。あまり記憶に残ってない両親だけど、本当に存在したんだ、っていう証明みたいなものかな...。すごく、大事なもの...。」

「...燃えなくてよかったね」

「うん、本当にね...」

「...お姉さんありがとう!犯人、すぐ見つかるから、待っててね!」


そこで少年は確信した。
"黄色"い人の正体、"赤""白""灰色"の色の謎。
そして自らにつけられた“クロシロ”の答え。


「クロシロくんとしては、ここで白黒ハッキリさせようじゃねえか!」


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