「聞いてくれ、いい考えがあるんだ!」

と我等の司令官がディセプティコンに突っ込んでいったのがだいたい30分前。


 「ディセプティコンなんてクズ鉄の山に変えてやるぜ!」


なんて聞こえたのもだいたい同時ぐらいだったような気もする。


 「残るのは俺だ!プライム!」


殺気がスパークに伝わったのはその5分後。
さらにその25分後。


 「さあ、どうする?」


オートボットの司令官が破壊大帝の首に刃物を突き付けたところで戦闘は終わっていた。

軍医はやれやれと肩をすくめ、バンブルビーと名前は自分たちは本当に戦闘に参加出来てたのか顔を見合わせて首を傾げた。戦闘準備を終えて出撃しようと走り出したレノックスたちは急停止、何が起こったのかわからないままその場に立ち尽くしていた。
そんな不可思議な出来事のあとだいたい10分ぐらい経ってから。


格納庫の外はさっきまで二つの勢力が全力でぶつかりあってたのが嘘みたいに静まり返っていた。正しくは攻撃を仕掛けた側の体力が尽きていたからどうしようもないだけなのだが。


「サウンドウェーブ」


さっきまで格納庫に中に隠れていた名前が外に出てきた。
体のあちこちで火花をたてるサウンドウェーブは立つ気もなく座り込んだままだった。


「どうした名前。俺を殺しに来たか」


そう聞けばはっとして名前はサウンドウェーブを見る。
当の本人は名前を見ないでコンクリート塗装の地面を見つめていた。


「ち、ちがう!そんなことしない!...だって、」

「...。」

「サウンドウェーブもそれを望んでないでしょ?」


この番いはなんでも知ってるこの地球で言うエスパーの類なんかじゃないかと疑って顔をあげた。
そこには、昔と何一つ変わらない姿の番いがいた。唯一変わったのは善悪を示すマークが切り裂かれていることぐらい。
同じ赤に照らされた目のはずなのに、番いの目に優しさを感じたのはきっと光を浴び続けたからだ。


「...よかった」

「...。」

「本当によかった...っ」

「何が、」


何がよかったんだ、声を発した時には名前は座り込んでいるサウンドウェーブに飛びついていた。


「生きててくれて、よかった...!」


清々しい笑顔のオプティマスと苛々とした表情を隠しきれていないメガトロンが格納庫から出てきたのは名前がサウンドウェーブに飛びついた30分くらい後の話。
こっちは既に休戦協定済みのようだ、というオプティマスの言葉にディセプティコンの兵士はガタガタと立ち上がった。


(さあ、共に生きていることを誇って乾杯しようじゃないか)


ありがとういきててくれてまたきみをだきしめることができる




----------
そんなこんなで夢主大好き音波と音波大好きの夢主のシリーズ
音波は破壊大帝と夢主がいりゃ生きてける子。夢主は音波とか皆と一緒に笑って暮らしたくてボッツに行った子。きっとボッツ面子が笑って楽しそうだったのが羨ましかったんだと思う。ディセップが嫌いだったわけじゃない。寧ろ音波もいたし皆仲良くしてくれたから大好きの部類。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -