栄光のプラネットカップを高く掲げた
俺の中にはやり切った感が溢れてくる。
俺はニトロコンボイに勝ったんだ!
そう言っていつもなら、一緒に頑張ってくれたみんなと馬鹿みたいに騒げるのに、
マクシィが、マクシィがいないから、

 「...エクシィ!」

ほら、今だって遠くの方からマクシィが呼んでくれてる
ここにいるわけないじゃんか。
だって、マクシィは、

 「エクシィ!!」

気休めになると思って声のする方を向いた、ら

 「うぉっ!」

急に何かが飛びついてきた
びっくりしてバランスを崩して後ろに倒れる
大丈夫、プラネットカップは無事だ

 「な、急になんだ...よ、」

 「エクシィ!」

思い切り打った後頭部を抑えながら首を上げればよく知ったカメラアイが俺を見てくる。
嬉しそうに笑っている"彼女"は首に腕を回して思い切り抱きついてくる。
...何が、起きてるんだ?
だって、マクシィは、ここにいるわけないのに

 「...マクシィ?」

 「うんっ」

 「本当に、マクシィ...なのか?」

 「うんっ!」

 「っ!!お前っ、散々心配掛けやがって!!」

倒れた体を起こしてマクシィを思い切り抱きしめた。
怒鳴って怒りつけながらも俺は嬉しいんだ。

この惑星に仲間たちが来て、誰もそれをすぐには口にしようとしなかった
マクシィはチップスクエアとベクタープライムたちを守るためにアトランティスに残ったってこと、
そのアトランティスは、戦闘によって機能を停止させた、こと

 「いるなら連絡ぐらいしろ、よなっ」

 「出来るもんか。名前は通信機がイカれて手がつけられなかったんだぞ」

視界が冷却水で揺れてる
口を挟んできたのはニトロコンボイ

 「どういうわけか俺の練習場にいてな、動ける程度には直してやった」

だがお前と知り合いだったとは思いもしなかった、と笑った
...知り合い?そんな簡単な関係なんかじゃない!俺とマクシィは、

 「俺らは双子だ!」

ムキになって放った言葉。
驚いたニトロコンボイの表情。
マクシィをいっそう強く抱きしめた

 「じゃあその双子たち?」

背後から威圧感のある声が聞こえてくる
この声は知ってる。ファストエイドだ。
いつもより低い声にびくびくしながら俺とマクシィはファストエイドを見る

 「感動の再会のところ悪いんだけど、機体チェックといこうか」

笑ってる。確かに笑ってる。黒いオーラを漂わせながら笑ってる。
その威圧感にマクシィの腕に力が入って強く抱きついてきた。
マクシィ、首締まる、締まるって!

 「エクシリオンは今のレースで随分損傷してるからな。名前、君は通信機がイカれてるようだが、他に損傷しか個所は?しばらくまともなメンテナンス受けてないんだ、有無を言わずに受けてもらおうか。」

びくびくする俺らに近づいてくる軍医は、最早鬼でしかなかった


涙腺決壊
別の意味で涙腺は決壊中だ!


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