プラネットカップを賭けた大レースはもうすぐ
今回は見込みのある奴がいる。楽しみで仕方ないのが本心だ。
大会に向けてチューンアップをしようとコースに来てみれば、

 「なんだ、これは」

この有り様。存分に走るどころかチューンアップも満足にできない状況。
そんな盛大に崩壊したコースの中俺は、

 「...。...おい、生きてるのか?」

"彼女"を見つけた。




...それにしても俺は、何やってるんだ?
大会が目の前だってのに、落ちてた同然のトランスフォーマーの修理なんて...
満足に直してやれなくてすまない、と謝ってる自分もいる。
...どうしたんだ、俺は

 「よし、これで動くはずだ。」

一通り見て直してやった。
ブレインサーキットの損傷が一番激しかった。医者に見せた方がいいんじゃないのか?
それにしても、こいつはあんなところで何してたんだ?

 「...ぅん、」

 「やっとお目覚めか?」

カメラアイが光を灯した。
忙しなくカメラアイが情報収集してる。

 「大丈夫か?」

 「...。...あの、ここ、どこですか?」

 「いきなり質問か、」

 「あ、ご、ごめんなさい...」

 「いいさ、気にしてない。」

彼女は申し訳なさそうに言葉を濁す。
見てるこっちが申し訳なくなってきた。
不安げなカメラアイは俺を見てくる。頼むからそんな目で俺を見ないでくれ...!

 「ここは俺の作業場。薄汚くてすまないな」

 「いえ、助けてもらたんです。文句は言えません」

ありがとうございます。
そう言いながら彼女は微笑んだ。
ああだんだんブレインサーキットがうるさくなってきた。
何なんだ、今日の俺は本調子を出せない

 「俺はニトロコンボイ。君の名前は?」

 「名前といいます」


マエストロの恋
彼女の本質がみえないまま溺れていく


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