崖の下には波の高い海。
崖の上には今まさにそんな海に飛び込もうとするサイバトロン戦士。
今日は少々海が荒れているようだ。

 「...あの、総司令官。...ほ、本当に行くんですか?」

 「当然だ!」

バックパックは既に逃げ腰。
隣りにいた名前も同様に。

 「実は僕、水の中は初めてで...」

 「そ、そんなこと言ったら私だって...!」

 「セイバートロン星に海はなかったからな、」

ガードシェルがそう関心してる横で、いつでも逃げ出せるようにエンジンはかけっぱなし、バックする準備は万端の二人がいた
どうやら総司令官にはばれていない様子。

 「こら、バックパックに名前!何逃げる準備をしてるんだ!」

でも空にいた副司令にはばればれだったようだ。
ベクタープライムもそれを見て少し笑っているようにも見えた。
そうこうしているうちにも、総司令官とガードシェルは先に海に突っ込んで行ってしまった

 「え、ちょっ、総司令官!ガードシェル!」

 「あわわ、まっ、置いてかないで!」

それを見て慌てた二人は急いで海に突っ込んだ
水飛沫を上げて海に潜れば、中は車体が沈む世界
慌てたままの二人は急いでトランスフォームするが、

 「そ、総司令官?バランスがとれません!」

頭は海底を向いている
どうやら逆さのままらしい

 「体内のオイルを移動させてバランスをとるんだ!」

総司令官に言われるままバックパックはそれを実行する。
上手くバランスが取れた様子だが、問題なのはもう一人の方...

 「な、名前!」

バランスが取れないままもがいているのは名前。必死に助けを求め手を伸ばす。
ガードシェルはその手を掴んだ。
思いっきり引っ張ってやれば体内のオイルが上手く移動したのかバランスがとれて、逆さ世界から解放された

 「...あ、ありがとうございます...」

 「何、こういうのに慣れてないだけだ。これから慣れればいい」

そう言って名前の手を離した。

 「こんなところでマスターメガトロンに襲われたら...」

 「うむ、手も足も出ないな」

今回ばかりはバックパックの悲観的なそれに賛同するしかないようだ。
彼の口にしたそれを想像するだけで身震いがした。

すると海にもう一つ水飛沫が上がった。今度は小さい、誰だろうか? 

 「ほら、よく見て!まずは平泳ぎから!」

海面を見上げようと上を向けば華麗に泳ぐ人影が一つ。
バドが泳ぎ方を教えてくれるようだ。
見よう見まねで"平泳ぎ"を実践してみる。

クロール、背泳ぎ、バタフライを実践してコツを掴んだところで気付いたのは、
泳ぐことは楽しいということ。
それがわかったところで...

 「これより、アトランティス遺跡の調査に向かう!」

 「「「了解!」」」

任務開始だ!


繰り返す、これは訓練ではない
ねぇ、名前!
なんですかバド?
皆の中でね、名前が一番上手かったよ!泳ぐの!
そう、なんですか?...ありがとうございます、


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