「名前、今回は調査員として同行してもらってもいいか?」

今から海底にあるアトランティスの調査に向かう時に、総司令官は急に言い出した。
いつも基地からでない名前が、任務に同行?
後ろではドレットロック、ガードシェル、僕も開いた口が閉まらない状況。
でも一番驚いてるのは誰でもない、名前なのだ。

 「あの、え...総司令官?」

困惑の色が隠せない名前はカメラアイが忙しなく点滅している。
だいぶ焦っているのがわかる。

 「今我々は人数が極端に少ない。それは知っているな」

 「はい、」

 「部隊が上手く機能できていないのが現状なんだ。」

 「...、」

 「戦闘に参加してくれ、とは言っていない。ベクタープライムと一緒にアトランティスの調査をして欲しいのだ。」

 「...。...命令なら、従い、ます」

やはり彼女にとっては不本意らしい。
俯き気味の彼女の表情はやはり困惑色、不安は拭いきれていない
それもそうだ。戦闘に参加しなくていい、と言っても向かう先は戦闘予測地区。戦闘に巻き込まれても文句の言えない場所だ。
マスターメガトロンもきっとチップスクエアの情報を嗅ぎつけて来るに違いない。そしたら一瞬のうちに戦闘地区に変わる。

...でも名前は無理に笑って総司令官を見た。

 「戦闘予測区域に行くんですよね?だったら少し武装していかないと、」

 「あ、あぁ、そうだな...コビー、名前を手伝ってもらっていいか?」

 「了解!名前、行こう!」

先に駆け出したコビーを追うように名前は司令室を出た。
扉が閉まった瞬間、抗議をしたのは僕だった

 「総司令官!いくらなんでも急にじゃ...!」

 「わかってる。だが今はチップスクエアの回収を優先しなければならない」

その反論が最もだった。
だからそれ以上反論できなくて少し悔しかった。

  (名前にだって、選ばせてやってもいいじゃないか。自分の行き先ぐらい、)

いつだって彼女は周りに翻弄されてばかりだった。
でも任務に私情を持ち込むなんて、やってはいけないこと、
それに元々僕に似て悲観的だから名前は首を縦にしか振らない、

 「コビーたち手伝ってきます!」

そう言って司令室を飛び出した。

つくづく似た者同士だと思う。...なんてエクシリオンに言ったらなんて返されるか

 「名前!」

 「バックパック...?」

とにかく、今の俺にできるのは、
少しでも安心して任務に出てもらうことだ。

 「大丈夫だって!僕なんてこの前...」


人並みの幸せが欲しい
スピーディアからの定期通信間違えて切っちゃったんだぞ!


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