私の知ってる名前はいつも司令室のモニターに視線を向けている。
前にそれが名前にしかできない仕事なのだとバックパックから聞いた。
そんな印象だから、どことなく周りから浮いている印象があったみたい。
彼女の友人関係なんて数えるほどしかいなかったようだ。(これはギャラクシーコンボイ総司令官から聞いた。)
まぁそれは名前と常に一緒にいる彼の影響がないとは言いきれないが、(敢えて誰とは言わない。)

そんな名前と私は総司令官直々に任務を預かった。
任務は簡単。皆が今探しているチップスクエアの捜索。
簡単、と言っても自分の目で確認しなきゃいけないのだから大変と言えば大変
私の心は未知なる物との発見にうきうきしていた。
...でも名前はそうではないことはわかっていたつもり。

 「大丈夫よ!何かあったら私が助けるから!」

 「...は、はい」

ビークルモードの名前は私を助手席に乗せて一般道路を走る。(運転席には前にスキャンしたホログラム。)
どことなくぎこちなく道路を走っている様子が乗っていてわかる。
初めて地球の道路を走るのだから、きっと緊張しているのだろう
何がっても私が助けるから平気よ!とフォローしてみても返事は弱気なものだった。

 「あ、名前。次の信号を右に曲がって!そしたらすぐに見えてくるから」

 「わ、わかりましたっ」

信号は青
道を右に曲がる車は街に見事溶け込んでいた(ように見えたのは私だけかも、)

総司令官からもらった資料を握りしめ前を見た。
目印の看板が見えてきた

 「ほらあれよ!博物館!」

見えてきた小さい博物館を指さして名前に教えてあげる
入り口前にある小さい駐車場に車は止まった。

車を降りて両脇にいる他人の車と見比べて驚いた。
...この車は本当に地球の道路を初めて走ったのだろうか?
止め方が異常なほどに上手い...

 「ろ、ローリ...何か変ですか?」

 「えっ、ううん、止めるの上手で驚いちゃったの!」

駐車方法に不安を感じて私に聞いてくる名前の声はやっぱり弱い。
大丈夫だよ!と答えると安心したように車体が揺れた。(車体が上下に動いた。人間で言うと安心のため息なのだろうか)
どうしてこんなに上手いのか、すぐに聞いてみた
そしたら名前は間を置いて嬉しそうに、恥ずかしそうに、話してくれた

 「エクシィが、一緒に練習してくれました」


束の間の安らぎ
そうだ、この任務が終わったら彼女を連れて街を回ってみよう


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -