コジローくんと熱斗くんに引っ張られたまま万博会場についた。
中に入ると大きな万博会場に圧倒された。私はここでようやく二人から解放されることになる。
『ようこそいらっしゃいました!』
会場の中央、万博のマスコットらしきキャラクターの像の前にコピーロイドが立っていた。どうやら彼が私たちを案内してくれるらしい。
『なまえさんとそのお友達御一行様ですね!』
「は、はい!...あの、会場に私たちしかしないみたいなんですけど...」
そう、この会場が大きく見えた理由はそれだ。建物自体も大きいのだろうけど人がいないことですごい解放感が生まれ大きく見えたのだ。
それに抽選で当たったのは私だけじゃないはずだ、と勝手に想像しもう少し人がいるものだと思い込んでいた。
『えぇ、その通り!今回はあなた方の貸し切りです!』
貸し切りという言葉でみんな喜んだ。もう他の人がいるかいないかなんて大した問題ではなくなっていた。
コピーロイドから各パビリオンの説明が行われた。
人間と水の調和をテーマとしたシーサイドパビリオン。
自然が人間にもたらす恩恵と環境破壊の影響がテーマのグリーンタウンパビリオン。
人々の暮らしをよくする気象操作をテーマにしたスカイタウンパビリオン。
そしてコピーロイドと人間の共存、次世代のネットワーク社会がテーマのセントラルタウンのパビリオン。
それぞれのパビリオンに行きスタンプを集めて、セントラルタウンのパビリオンに持っていけばいいようだ。スタンプカードを受け取ると改めてどきどきする。
『それではみなさん、万博をお楽しみください!』
コピーロイドが奥のセントラルタウンのパビリオンに入って行くのを見送るとみんなどこのパビリオンから行こうか話し始めた。私もどこから行こうかなって考えてると、後ろから来た誰かに手を引かれた。またあの二人なのだろうかと思っていたら、ライカだった。
「どうせ全部見ることになるんだ。どこから行っても変わらないだろう。」
そう言って歩き始めるライカについていくことしかできなかった。でもいやじゃないのはライカに対しての信頼なんだと思う。
万博はすごく楽しめそうだ、私の手を持つライカに並ぶように少し早足になった。