その日はみんなを万博のプレオープンイベントに誘うのに忙しかった。
まず学校でコジローくん、明日太くん、そしてアイリスちゃんを誘い、ジェミニマンに頼んで秋原町のみんなを誘いに行った。熱斗くん、メイルちゃん、デカオくん、やいとちゃん、もちろんみんな来てくれることになった。そして炎山くんだが、ライカがどうにかこうにか連絡をつけてくれたみたいだけれど、やっぱりお仕事が忙しくて来れないそうだ。




みんなに会えるのが楽しみで仕方なかった一週間を過ごし、ようやっとこの日が来た。
おじさんにいってきます、と言うと楽しんでおいでと笑ってくれた。ライカと一緒に家を出て、待ち合わせ場所である広場に向かっていると途中でアイリスちゃんの背中が見えた。


「アイリスちゃんっ!」

「...あ、なまえちゃん、ライカくん」

「俺のこと知っているのか」

「この間、なまえちゃんが教えてくれたの...」


この間とはたぶんライカがむきになってジェミニマンを本当に消そうとした日、つまりアイリスちゃんを助けたあの後。
あの後チップを送ったライカに対抗するためにジェミニマンもチップを要求してくるから本当のネットバトルになってしまった。結果はドロー。ジェミニマンは軍事ナビなのに口が軽いと小一時間ほど説教を受けたが。

そんな話をしていたら目の前に待ち合わせ場所である広場が見えた。どうやらもうみんないるようだ。なんだか和気あいあいとしているところを見ると、自己紹介は終わったようだ。


「あ、なまえにライカ!遅いぞ!」


一番最初に気付いたのは熱斗くん。こちらに向かって大きく手を振っているから、私も負けないように手を振り返した。


「熱斗くんはよく寝坊しないで来たね!」

「何言ってるの、私たちが起こしに行ったに決まってるじゃない!」


やっぱりそうか。やいとちゃんをはじめ、メイルちゃんとデカオくん、それにロックマンだって彼を起こそうとしたに違いない。簡単に想像できてしまい少し笑うと熱斗くんに怒られてしまった。


「それよりなまえ、その子は誰なんだ?」


熱斗くんに言われてそちらを見るとアイリスちゃんがいる。そうだ熱斗くんたち秋原町のみんなは初対面だった。


「私は、アイリス...」


初めてでちょっと緊張しているのか声が小さくなってしまっている。でももう少ししたらきっとなれると思う。彼等はとても優しいから大丈夫だ。


「俺は光熱斗っていうんだ、よろしくな!」

「私、桜井メイル。よろしくね!」

「俺、デカオってんだ!よろしくな!」

「あなた、なかなか可愛いわね...。私は綾小路やいと。やいとちゃんって、呼んでちょうだい」

「よ、よろしくね...」


アイリスちゃんが少し笑ったような気がした。よかった彼等ともうまくいきそうだ。
これでみんなの自己紹介も終わったようだし、さっそく万博会場に向かおうか。と思ってみんあに声を書きようとしたら、それよりも早くコジローくんと熱斗くんが私の両側から腕を持って一気に走りだした。
最初はびっくりしたけれど、なんだかたのしくなって途中から笑いが止まらなくなってしまった。
万博会場までもう少し。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -