「ライカ!みてこれ!みて!!」


朝から元気な奴だ、と思いながらそちらを見ると異様にニコニコしながらこちらにPETを向けてきていた。画面には一通のメール。万博実行委員会からのメールだった。
主催者である市長が捕まり、治安も乱れてきていて開催が危ぶまれていたが、こんなときこそ実行をと言う声が上がったようだ。
そんな万博の実行委員会が一個人に何の用件でメールなんて送ったんだ。


『なまえ様。こちらは万博実行委員会です。このたび、万博のプレオープンイベントを行うことになりました。抽選の結果、全才葉シティ市民の中からあなたをこのイベントにご招待することとなりました。イベント開催は一週間後です。当日はお友達もお誘い合わせの上、万博会場までお越しください。』


ジェミニマンがメールを読み上げた。
要するに正式に万博を開催する前に特定の人だけを招くということだ。誰よりも早くに万博を楽しめるという点でなまえはこんなに浮かれているんだろう。

だが俺だけだなく、今メールを読み上げたジェミニマンだって同じことを思っているはずだ。


「突然そんなメールきて、お前は怪しいとは思わないのか」

『俺も言ったさ。でもなまえは考え過ぎだって言って聞かないんだ。』


ニホンに来てからいろいろな事件に巻き込まれてきた。その事件によって万博の開催が危ぶまれたと言っても過言ではない。その万博が開催されるという、なまえだって嬉しいんだ。


「二人とも、最近いろいろあったから用心深くなってるだけだよ」


なまえの言うことにも一理ある。過度の警戒は見落とす原因にもなる。時として忘れることも大切だ。


「...そうなのかもな。ところで行くとしたら誰を誘うんだ?」


俺が聞くと今まで忙しなく動き回っていたなまえがピタリと止まった。そして今度は指折り数え始める。


「うーん...コジローくん、明日太くん、それにアイリスちゃんでしょ...。...熱斗くんたちも誘ったら来てくれるかな?それと炎山くんも!」

「なんだ、俺はいないのか?」

「だってライカは言わなくても来てくれるでしょ?」


どうやら俺は彼女から相当信頼されているようだ。もちろん自覚はあった。

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