ジェミニマンたちが見つけてきた情報を信じてスカイタウンに向かった。
ヘリポートに向かうと、気を失ったアイリスちゃんがいた、あの三人組も一緒、その向こうには倒れたバレルさんが見えた。
「待て!!」
ライカが声を上げバレルさんのどうにかしようとしているのを止めた。もちろんそれをしようとした三人はこちらを見る。
「アイリスちゃんとバレルさんから離れて!!」
「本当にしつこいガキたちね。そこを一歩でも動いてみなさい、この子海に突き落とすわよ!」
チロルは倒れるアイリスちゃんと海を交互に見、悪い笑みを浮かべて私たちを見た。
ヘリポートの外は海。それによく見ると潮の流れが異様に早い。こんなところに落ちてしまったら溺れるだけでは済まされない。最悪の場合、考えただけでぞっとする。
「あんた達、早くバレルを海に捨てちゃいな!」
「や、やめてよっ!!」
チロルが指示を出すと入道も六法もバレルさんの腕を掴んだ。本当に海に投げるつもりだ。私たちが動こうと動かまいと結末は同じだった。
だがそんなのはおかしい。よくわからないエゴのために誰かを犠牲にするなんて、それは間違っていると思うのは私が"甘いから"なのだろうか。だからと言って今の私に何が出来ると言う訳でもない。ライカも別の手段はないかと思考を巡らせているがそれでも追いつかない。
「誰か...バレルさんを、助けてよ...!」
「馬鹿ね、こんなところで叫んだって誰も助けになんか来ないわよ」
知っている。でも叫ばずにはいられない。ライカも私も焦る一方、このままじゃ誰も助からない、怖くなって目を強く瞑った時だった。
「ところがどっこい、くることもあるんだな!!」
とうっ!!という掛け声と共に上から降りてきたのは、マッハ先生その人だった。