何かが切れたようにジェミニマンが両膝をついた。そしてそのまま倒れる。


「...ジェミニマン?」


なまえ様が声をかけても反応はない。
唸り声も起き上がる気配もないので近づいて確認すると、気を失っているだけみたいだ。一時的ではあるがこれで電脳獣の心配もなくなった。一つ息を吐くと体の所々に痛みが走る。手加減なしにジェミニマンを倒しにいったのだが、むしろ俺の方が大ダメージを貰ってしまった。
それよりもジェミニマンだ。ここは電脳獣に強い影響を与える場所、今度はどうなるかわからない。


『ジェミニマンがまた暴れる前にプラグアウトを。』

『フルッフーッ!そうはさせないよ!!』


ジェミニマンをプラグアウトさせる間もなく新たな敵が介入してきた。
またしても俺の邪魔をするのはお前なのか、サーカスマン。

『ごくろうさん!お陰でジェミニマンを弱らせる手間が省けたよ』

『...っ』


まずい。
一度戦って手は見えているかもしれないが、こちらは手負いだ。この状態でジェミニマンを守りながら戦うのは難しい。


「それじゃあ、サーカスマン。ジェミニマンをいただいちゃう前に、その邪魔なナビを軽くひねり潰しちゃいましょうか」

『りょうかーい!』


でもやらなければならないなら、俺はやる。
ライフルを構え、ゆっくり近づいてくるサーカスマンを迎え撃とうと覚悟を決めた、その時だった


『そこまでだ』


俺の前に二体のナビが現れた。見覚えがあるその姿は幾度と共に並んで戦った赤と青の"戦友"。


『ブルース、ロックマン...!』

「待たせたななまえ、ライカ」

「この間の借りをいま返すぜ!」


これで形勢は逆転。サーカスマンもそれに気付き顔色を変えて後ろに下がる。


『チ、チロル...こいつらやばいよ!』

「せっかくあと一歩だったのに!...大体何よその人数!卑怯よ!!」

「何を言っている。使える手は全部使ってこそ軍人だ。」


ライカ様、それでは悪党です。なんて言えるわけもなく、悔しがって逃げかえるサーカスマンを見送ってしまった。
だがそれより今はジェミニマンだ。これだけに人数がそろっても目を覚まさないジェミニマンに俺たちはありったけのリカバリーを使うことになる。

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