万博のCMが流れるたびになまえは手で顔を覆って見ないようにしていた。今からそんなに恥ずかしがってたら万博当日なんてどうするんだよ。なんて日が少し続いていたある日、一本の電話がかかってきた。
「はい、もしもし」
「お、でたでた!」
「...あの、」
「問題!俺は一体誰でしょう?」
なまえは知ってるはずだ、この威勢のいい少年を声を。以前ニホンにきたときに随分と世話になった、あの少年だ、間違いない。
それに気付いたなまえの表情が一気に明るくなる。まさか彼から電話がくるなんて思ってもいなかったのだ。
「熱斗くんっ!」
「へへ、アタリー!!」
「急に電話してくるなんてびっくりしたよ!」
「びっくりしたのはこっちだって!ジェミニマンがテレビに写ってるんだもんな!」
どうやらこの少年、光熱斗のいる街である秋原町でも俺はかっこよく映っているようで安心した。
久しぶりの電話に話が止まらない二人、そんななか熱斗がある提案をする。
「なあなまえ、もしよかったら今週末秋原町にこないか?メイルたちも会いたがってたし」
「...え、いいの?」
「ああ、なまえだったら大歓迎だ!」
「じゃあ、行きたい!みんなに会いたい!」
「よし、決まりだな!さっそくメイルたちに連絡しておくぜっ!」
どうやらなまえが秋原町に行くことが決まったみたいだ。ということは俺もロックマンたちに会えるということなのだろう。それはそれで楽しみになってきた。またネットバトルでもして俺の強さを見せつけてやろう。
『楽しみだな、なまえ』
「うんっ」
テレビではまた俺が映る。だが今度は顔を隠すことなく見ている、このCMのお陰で彼等に再会できるのだから、今はすごくうれしいんだろう。