言語が理解できないまま彼のナビであるエレメントマンを倒した。だがなんとか言語を解読したジェミニマンによると彼が到着した頃には既にフォースプログラムは奪われていたそうだ。
それじゃもともこもない。エレメントマンがいなくなった今、あの男の人をここで止めないと本当にこのスカイタウンが落下してしまう。
「絶対逃がさない!」
「クソッ、子どもだと思って油断したぜ...!!」
「さあ、はやくプログラムを返して!」
「悪いが、こんなところで捕まるわけには...いかないんだよ!」
男が何かを投げつけた。それが何か見る前に辺りが真っ白になる。これはただの目くらませだ、この隙に男が逃げてしまう。
だが完全に視界が回復すると、男はまだそこにいた。ウェザーくんの手に捕まって逃げられなかったのだ。これはお手柄だ。
この男に気をとられていたが、スカイタウンで探さなければいけない人物がもう一人いる。
「...アイリスちゃん探さないと」
ここにくるまでの道に彼女はいなかった。ということはわかれ道で別の道を使って奥までいってしまったのか。早く探し出して一緒に帰らないと。
きた道を戻ろうと足を向けた時だった。
『スクリーンディバイト!!』
何かが崩れた音がした、それによくPETから聞こえる衝撃音も。
振り返ってみると男を捕まえていたウェザーくんから煙が上がっていた。完全に壊されてしまったのだ。でもいったい誰がそんなこと。
『なまえ、どうやら我々はどうあっても戦う定めにあるようだな』
聞いたことがある声だった、だが何故彼がここにいるのか理解できなかった。確かに手段はある、だがその手段では攻撃が出来ないように制限されているはずだ。
PETの中でしか見たことのないその攻撃を目の当たりにして、私の膝は笑っていた。
「か、カーネル...」
さっきまでは男が立っていたコントロールパネルの上に、今度はカーネルが現れた。彼は先程の壊れた道を飛び越えるために使ったコピーロイドを使ってここに来たに違いない。
『入道...フォースプログラムを持って帰っておけ...』
カーネルが指示を出すと入道と呼ばれた男は煙幕とともにどこかに消えてしまった。
一瞬それに気をとられるとカーネルは容赦することなく右手のブレードを振った。膝が笑ったままの足で上手く避けられるはずもなく、しりもちをついてしまう。
『...それを着ているということは、覚悟の上でここにきたのだろう?』
「え、」
『"軍人"としての覚悟だ。だったら手加減するわけにもいかないな』
緑色のコート、それをみたカーネルの目の色が変わる。次は外さない、彼はブレードを高く振りかぶった。
その一撃で私がいなくなったらこの騒動がおさまるのなら、それでいいと思っていた。