文字通り命がけでたどり着いたウェザーくんの部屋には先客がいた。なまえの見た大人の人影の正体はきっとこいつだ。


「いた!」

「ちっ、見つかっちまったか!」

「フォースプログラムをどうするつもりなのっ?」

「フン、そんなことまで知ってるのか...ならば冥土の土産に教えてやろう!」


見るからに悪党面した男だった。ウェザーくんのコントロールパネルの上に立ち、俺たちを見下している。


「我らの作戦を実行に移すには、膨大なエネルギーが必要なのだ。そこでフォースプログラムの力を利用して、必要なエネルギーを生み出すのだ!アイツを動かすのにはスカイタウンを空に浮かせるくらいのエネルギーが必要だからな!」


アイツとはなんだ。丁寧に説明してくれたが肝心な部分が曖昧だ。


「残念だが、お前はそれを見ることはないだろう。なぜなら、このスカイタウンと共に地上に墜落するのだからな!」


男の立つコントロールパネルがバチバチと音をたてる。まずい、もう中にはこいつのナビがいるのか。
だが様子がおかしい。もしかしてセキュリティに引っかかってフォースプログラムを取り出せていないのではないのか。だとしたらこれはチャンスだ。


『今しかないぞ、なまえ!』

「プラグイン!ジェミニマン.EXE、トランスミッション!」


送り込まれたウェザーくんの電脳、俺はここで絶望することになる。あいつのナビが苦戦していた理由がよくわかるセキュリティ、だがそれを知るのはもう少し先の話だ。

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