突っ走ったジェミニマンが止まらない。
スカイエリアを隅から隅まで走り切る勢いで試験官ナビを見つけ、戦いを挑み、ウイルスを蹴散らし、勝った証である勝利カードを受け取る。繰り返すこと数回、ウェザーくんに指定された枚数の勝利カードを集めることができた。
『素晴らしい!お見事な成績ですね、文句なしの合格です!おめでとうございます!!』
そして、無事第二次選考を突破することができた。これもすべていつも以上に気合の入ったジェミニマンの奮闘のおかげ。まったく、いつもこれぐらい頑張ってくれてもいいのだが。
『やったぞなまえ!次の最終選考受かれば俺オペレーターナビだぜ!』
「うん、次も頑張らなきゃね」
一人浮かれている彼を置いておくとして、一緒に参加したコジローくんたちはどうしただろうか。少し気になる。
『...お、どうだった?』
するとちょうどそこにコビローくんのナビが通りがかった。ジェミニマンも少しは気になってるようで、彼に結果を聞いた。
『これが合格した奴の顔に見えるか?!』
...どうやら落ちてしまったようだ。
話を聞く限りではいいところまでいったみたいなんだが、コジローくんのテクニックがない、だとかナビがここ一番で攻撃を外した、とかで喧嘩を始めてしまった。
間に入って仲裁しようとすると、暴れ足りないって言ってコジローくんのナビがどこかに行ってしまった。放っておいて大丈夫なのだろうか。
『あのナビ、随分と威勢がよかったけど、このエリアにはウラインターネットへの入り口があるから心配だな...』
なんて審査員ナビがぽろっと口にしてしまったから頬手置くわけにもいかなくなった。
ウラインターネット、何度か見たことあるが、あそこは危険な場所だ。まだ近くにいるかもしれない、と探しに行こうとまだ興奮しているであろうジェミニマンに声をかけようとしたとき、
RRRRRR!!
オート電話がかかってくる
「...なまえ、助けてくれ...!俺のナビがウラインターネットから出てきた変なナビに連れ去られちまった」
「ほ、本当に...?」
「たのむ、助けてくれ...」
「...わ、わかった!私たちがなんとかする!」
言ってるそばからこれだ。だが話はあとでにしよう。
もちろん今の話はジェミニマンも聞いてたわけで、様子を見るとどうやらすこしは落ち着いてくれたようだ。
「いこう、ジェミニマン!」
『ああ!』
試験に受かったその足でコジローくんのナビを助けに、ウラインターネットへ向かった。