家に帰りまずいつもおじさんが使っているパソコンにジェミニマンを送った。このパソコンに何かしらの履歴があると思ったのだが、


『ない...』

「...え?」

『一昨日の履歴だけ、見当たらないんだ』


おじさんのパソコンにいるプログラムくんにも聞いたが結果は同じ。どうしようこれじゃおじさんの無罪を証明できない。


『逆に考えるんだなまえ。履歴を部分的に消したってことは誰かが意図的に消したって証拠だ。』


確かに、履歴を消すなら部分的に消すなんて不自然だ。おじさんにその時間にアリバイがあっては困る、ということは誰かがおじさんに罪を着せようとしてるということ。犯人が、この家に入ったという証拠。


『これはおじさんのこと調べるより誰が家に入ったかを調べた方がよさそうだな』


そう言って私たちは家の隅から隅まで調べた。ジェミニマンは電子機器すべてを回り、私はなくなったものがないか、でも一向に見つからない。
どうしよう、そうしよう、はやくしないと、おじさんが、
気持ちは焦るばかりで集中力も切れてくる。何気なしに振り返った拍子におじさんのパソコンの置かれた机に上に積み上がっていた書類の山を崩してしまった。その時、ガツン、と何か重いものが一緒に落ちた。散らばった書類をそっちのけに私は落ちたそれを探した。


「...あった、」


書類の隙間から出てきたのは見慣れない形をしたPET。新型なのだろうか、おじさんはこのPETの開発に関わっていたようだ。いま使っているPETとボタン配置が変わっている、わからなくて適当なボタンを押したら、画面に光が灯った。ナビは見当たらないが、確かに起動している。


「っ、ジェミニマン!」

『なにか見つけたのか』

「このPET、ずっと電源がついてたみたいなの...」

『...パソコンの履歴消した奴の顔が映ってる、かも...』


すぐにPETの中の情報を調べるジェミニマン。少ししたら、何かのプログラムを抱えて私のPETに帰ってきた。その様子は、喜びに満ちた顔をしていて。


『あいつもこのPETが挟まった書類の山を崩したんだ。その拍子にPETが起動、そのあとの映像がこれだ。』


小脇に抱えたプログラムを展開すると、一気に画面が暗くなった。
ガタン、とさっき私が聞いた音から始まる真っ暗な映像。ガサガサと何かが擦れる音。だんだんと明るくなってくる。明るくなった画面に写っていたのは、


「...え、なんで...」


検事である六法さんだった。

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