『ま、まさか本当に電脳獣を手に入れてたとは...し、しかし我らの手にもう一体の電脳獣がいる限り...あのお方は野望を必ずや...果たす...』


なんとかサーカスマンを倒したのはいいけど、意味ありげの発言が気になった。私がこの街に来てからの一連の事件には何か裏があるのかもしれない。相手がどんな組織なのかは、今はわからないけどその組織にも電脳獣がいるということはかなりの脅威だ。きっとジェミニマンが電脳獣を取り込んでいるのを知ってる組織はこれからも彼を襲ってくるだろう。だが組織の目的もはっきりしない今はそれらを払いのけるしかない。


『なまえ、見てみろよ!』


ところ変わってここは才葉学園。
電脳獣騒動の影響が落ち着きを見せ始めた、放課後のこと。
ジェミニマンが指したのは廊下の掲示板。掲示板の前には人だかりが出来ていた。その中にはコジローくんの姿も。


「コジローくん、なにかあったの?」

「いいところに来たな!ちょっと面白いものが張り出されてるんだよ!」

「...なにがあるの?」


言われるがまま掲示板に張ってある紙をみた。
万博パビリオン・オペレーターナビ募集、と書かれていた。この街でもうすぐ万博が開かれるのは知っていた。そういうイベントにあまり参加したことなかったから楽しみにしてたりするのだが、これは万博を開催する側になれる貴重な機会なのではないか。内容は万博の目玉として作られる大きなパビリオンの案内をするナビの募集。


「いつも人間にオペレートされているナビが、今度は人間をオペレートする、か。...なんか変な感じだね」


オペレーターナビの採用にはいくつか試験があるらしく第一次試験はセントラルエリアのネットカフェ、日にちは今日しかももう始まっているのだという。
ここは本国の意向をくんで貴重な体験をさせてもらおうか。それにこういったイベントにめのないナビがここにいるのだから。


「私たちも参加してみる?」

『...。』

「...ジェミニマン?」

『俺が見逃すと思ってるのか』


誇らしげな顔でPET画面に表示された画面には"一次予選突破のお知らせ"と書かれていて。
どうやら私が何もしなくても彼がすべてやってくれるようだ。私は彼に苦笑いしかしてあげられない。

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