復帰第一戦目が電脳獣と戦った場所というのも皮肉だな。相手もそれをわかっててここらをうろついていたんんだろう。電脳獣の石像前、なまえのいうピエロみたいな図体のでかいナビがいた。
『お前、なにが目的なんだ?』
『フルルッフゥーッ!!そういえばキミと直接会うのは初めてだね』
こいつには俺がレーザー構えてるの見えてないのか、それともそんな脅しには屈しないという自信の表れなのか。どうにも調子が狂う奴だ。
『はじめまして、僕はサーカスマン。この辺をうろついてたらきっとやってくると思ってたよ!』
どうやら俺たちはこいつ、サーカスマンの罠にはめられたみたいだ。だがどうして俺たちをおびき出さなきゃならなかったのか。思い当たることがないわけではない。
『それよりキミに聞きたいことがあるんだ』
『聞きたいこと...?』
『電脳獣をどこに隠したんだ?』
『...。...ここに隠した』
やっぱりそれが目的だったのか。さして驚くこともなく俺は胸のエンブレムマークを指さしてみせた。サーカスマンの表情が険しくなるのがみえた。これは俺の言ってくことを信じてない顔だ。
『...つまらないジョークだね。この僕ですら、電脳獣をカラダに入れるだけで精一杯だったのに、あんな怪物を体に閉じ込めておけるナビがいるはずない!!』
『信じる信じないはお前の勝手だけど、俺は嘘言ってるつもりはない。入れるのが精一杯のお前の規格と一緒にするな』
どうせ隠してたっていつかばれるんだ。だったら最初っから言ってやる。
『...そこまで言うなら、その体を引き裂いて確かめてやる!!』
一気に空気は変わる。来る。PETの向こう側でもそれは感じ取れたはずだ。俺の復帰を祝う一戦がはじまろうとしていた。