なまえ様のPCに来たつもりだったのだが、そこにいたのは何かの苦しみに耐えるジェミニマンの姿と今にも泣きそうなほど追いつめられていたなまえ様だった。
もともとジェミニマンからの定期連絡がないからとライカ様が心配して私がここまできたのだ。もしかしたらライカ様はこうなることを予想して私にあんなことを言ったのだろうか。
"なまえのためなら力を惜しむな"
とにかくなまえ様の話によるとシーサイドエリアの奥地にジェミニマンを助けることができる水が湧き出ているのだという。だがその道中はジェミニマンが己のブラックボックスに取り込んだ電脳獣の影響でウイルスが凶暴化している。


「サーチマン、大丈夫?」

『はい、問題はありません』


時折こうして心配してくれるなまえは何かしらの負い目を感じているのだろう。なぜこの方はそこまで負いを感じなければいけないのだろう。確かに彼女は軍人ではないが軍人として軍に在籍している。だがオペレートのテクニックはライカ様に引けを取らないほどだ。実際そのオペレートで何度も任務を遂行してきている。それになまえ様を軍に引きいれたのは上層部。それが今となってはジェミニマンが危険分子とみなされてニホンに追いやられる始末。

ウイルスを撃ち抜きながら走る。すると先に開けた場所が見えた。微かだが水の音が聞こえてくる。


『なまえ様あそこから水の音が』

「たぶんそれ!あと少しだから、頑張って!」

『了解しました』


ナビであるジェミニマンもそう。格好つけだが軍事ナビとして開発されたから実力はある。開発したのはなまえ様の両親、軍所属の科学者たちだ。開発された当初は誰がオペレーターになるかで軍内部で揉めていたが、本人がなまえじゃなきゃいやだと駄々をこねた結果がこれだ。彼は当時から孤独だったなまえ様を軍に入れることで居場所を作り守ろうとした。それが吉か凶かなんてわからないが、少なくとも私とライカ様は彼らを必要としている。実績なんかではなく、彼ら自身といることで毎日が充実するのを知っているから。

湧き水をくみ、あとはこれをあいつに飲ませるだけだ。と来た道を引き返そうとしたときそいつはそこに現れた。

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