夕方になり、昨日買った冷蔵庫が家に届いた。学校から帰った私を迎えてくれたのだ。お店で見ていたのと雰囲気が違うように見えたのはやっぱりこの家にあるからなのだろう。でもこの家に馴染む、ジェミニマンがこの家に馴染んでいるのと一緒だろう。おじさんとそんなこと話していたらジェミニマンが焦ったように


『おいなまえ時間いいのか?!』


と聞いてきた。何のことだろうと時計を見たら昨日お姉さんが告知していたショーまであとわずか。
今朝学校に行き昨日の出来事をコジローくんたちに話したら学校前の広場でもお姉さんが子基地をしていたという。暇つぶしにはなるだろうと一緒に行くことになった。急いで部屋に戻ろうとした時、玄関のチャイムが鳴った。誰だろうと急いで玄関を開けると、そこにはアイリスちゃんが立っていた。


「アイリスちゃん、どうしたの...?」

「...。」

「...あ、立ち話もあれだから、上がってもいいよ」


急に家に訪ねてきたからびっくりしたけど、きっと用事があったから家に来たんだ。中に上がるのを勧めるけどアイリスちゃんは動かない。


「今からインターネット行く約束してるんだけど...。...あ、よかったらアイリスちゃんも一緒に行く?」

「...。...ダメ。」

「ダメ...って、なにが?」

「い、今インターネットに行ってはダメ...。悪い予感がするの...」

「悪い予感...?」



RRRRR!!
オート電話がかかってきた。コジローくんからだ。電話の向こう側ではコジローくんのナビとショーの様子が映っていた。ピエロみたいなナビがいろんなものを出したり踊ったり楽しそうだ。
...だが途中から様子がおかしい。コジローくんが何か焦っている。何があったのか、そう聞こうとしたらブツッと電話が切れてしまった。


『...何かあったに違いない』

「いこう、ジェミニマン」

『ああ!』


砂嵐になってしまったコジローくんの回線は回復しない。何があったか気になるし、何よりコジローくんのナビが危ないのだ。インターネットに行くしかない。


「アイリスちゃん、私いくね...」

「...け、けど...」

「友達が危ないの。私に助けられるなら、私がコジローくんたちを助けたい」


アイリスちゃんはアイリスちゃんなりに私を心配してくれているからこうやって止めてくれるのだ。でもいかなくちゃいけない。
かなわないとわかっていても行かなければいけない。軍人として働くライカの気持ちが少しだけわかったような気がした。

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