ピエピエと可愛らしい声を出してコジローくんのあとを付いて回るペンギン。見ていて飽きないし可愛らしい。
「それにしてもあのペンギンどこから来たんだろうね」
『もしかしたらどこかから逃げ出してきたペンギンなのかもしれないな』
「だったら誰か探してるかもしれないけど」
『インターネットに行ったら手がかりぐらいはありそうだが...』
珍しく難しい顔をするジェミニマン。らしくないとどうしたの、と聞いてみたらメール画面を開いた。その意味を汲み取れずにいるとジェミニマンが一番上の新着メールを読み上げてくれた。
『インターネット注意報。ここ最近インターネットにおける治安が乱れています。不審なナビに襲われたという事件が多く報告されていますので、インターネットをする際には注意してください。...だとさ。』
最新鋭の技術が集まっていてもそういった乱れはどこででも起きるものなのか。でも私たちだって一応本国の軍人だ。そういったナビに対しての対処は心得ているつもりなのだが、ジェミニマンは一体どうしたのだろうか。
『なに、そのナビが俺たちの前に現れたら不審なナビ"に"じゃなくって不審なナビ"が"襲われた事件になるだろ?』
どうやら心配は無用だったみたい。そうだよね、目立ちたがり屋のジェミニマンがそんなこと気にするのが変か。いつもどうりの彼で安心した。
「じゃあインターネットにいこうか」
『ああ、まかせとけ!』
そういって笑ってインターネットに飛び込んだジェミニマンを見送った。PETから目を離して再びコジローくんとペンギンをみる。ジェミニマンがペンギンの手がかりを探しにいったからもう少しの辛抱だよ。そう伝えようと私は席を立つ。