制御PCの電脳を突き進んだ。途中ブラストマンからの攻撃なのだろう、炎が降ってきたりしたがそこはなまえのオペレートテクニックの見せどころ。難なく最深部にたどり着くことが出来た。
そこにはコントロールパネルがあった。そのコントロールパネルの前に立ちはだかるのが、ブラストマンである。コジローを誑かしこの大事態を起こした真犯人。あいつの言葉を鵜呑みにしたコジローも悪いが、こいつはもっと悪い。


『クォォォォッ...きやがったな!』


俺はすぐに構えて相手を睨みつける。ブラストマンはそれを気にもとめず薄く笑っている。次に何をしてくるかわからない笑み、正直不気味だった。


『俺に戦いを挑むなんて冷静な判断とは言えないな』

『お前こそ、俺が誰なのか知らないのに迎え撃とうなんて無謀な判断だな』

『クォォォォ!!その減らず口をすぐにきけなくなるまで燃やしつくしてやるぜ!』

『くるぞなまえ、いいか!?』

「大丈夫!バトルオペレーション、セット!」

『イン!!』

『ケシズミにしてやるぜ!!クォォォォォォオオ!!』


場の空気が一気に張り詰める。
両者後ろに飛び距離をとった。俺は右手のデータを書き換えてレーザー砲をブラストマンに向ける。だがブラストマンはどこからか炎を呼びよせ上から降らせてくる。これじゃ当たるものも当たらない。一回でもいいからあいつまでの道ができればいいのだが...!


「バトルチップ、オジゾウサン!」


すると俺の目の前に突然石像が現れた。その石像は俺に向かってくる炎を塞いでくれる絶妙な位置に現れたのだ。さすがは俺のオペレーター。さらに石像は攻撃を受けて消える直前、閉じていた目がカッと見開いた。うおっ、と驚いていたらブラストマンに雷が落ちた。そのお陰で炎が止み、奴に隙が出来る。俺は一気に間合いを詰めようと走りだす。体制をたて直したブラストマンは今度は炎の渦を放ってきた。


「ジェミニマン、リフレクメット使って!」

『ああ、昨日のあれか!わかった!』


手を前に出して準備しているとなまえから送られたチップデータが現れる。ヘルメットを模した盾が攻撃を受けるとその攻撃が反射される。寸でのところで避けられたがお陰であいつとの距離を縮める事が出来た。俺は即座にレーザーを発射、だがこれもさけられてしまう。だがレーザーの向かう先には電脳世界を区切る壁があった。レーザーはその壁に当たると、爆発することなく、反響して、ブラストマンを追った。レーザーはブラストマンに見事命中。これが決定打となった。


『クッ、クウゥゥゥゥゥッ!!...お前みたいな奴に負けちまうとは...!!』

『負けるわけないだろ!なんたってこっちにはシャーロ軍の凄腕オペレーター様がいるんだからな!!』


空気が張り詰める感覚がした。俺、何か地雷を踏んだのだろうか。いつも任務の後はこう言えば大体の奴は驚いたりして何らかの反応をしてくれるのだが。何より俺が俺たちが目立てるから、と口にするのだが...あ、


『そういえばここシャーロじゃなかったか』

「...っ!ジェミニマン!!」


滅多に怒らないなまえの怒声が聞こえた。どうやら俺は戦闘に夢中になっていて余計な情報を口走ってしまったようだ。


『クォォォォ...!最後にいい土産ができたぜ...』

『ちょ、まて、ブラストマン!!』

『第一ラウンドは、お前の勝ちだ...つぎやるときはクロコゲにしてやるぜ...!』


そう言い残してプラグアウトするようにどこかに消えてしまった。追おうとしたが轟々と燃えあがる炎に阻まれそれも叶わない。結果的に俺の減らず口のお陰で余計な情報をあいつに持たせてしまった。これが本国なら大問題だが、ここはニホンだ。どうか寛大な処置を期待したいところだが...

外からはどういうことだと問い詰めるコジローと返答に困っているなまえの声が聞こえてきていた。

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