なまえちゃんと真ちゃんは幼馴染だって聞いた。でも小学校も中学校も同じクラスになったことがなかったらしい。つまり今年秀徳に入学した二人は初めて同じクラスになれたわけ。

クラスも一緒、部活も一緒、なまえちゃんは俺らバスケ部のマネージャーさんだ。練習中は俺らを見ながら気付いたことをすぐにノートに書き込む。よく見せてもらうそのノートは綺麗で見やすい。
ほら、今だって頑張ってノートに書き込んでる。真ちゃんの目を盗んで手を振ってみても気付かない。本当になまえちゃんの集中力はすごいと思う。


「おい高尾!よそ見すんじゃねぇ!轢くぞ!!」


すると宮地さんから剛速球が飛んでくる。びっくりはしたけどなんとか受け止める。伊達にスタメンはってないっすよ。そのボールの今度は主将に向かってパスする。宮地さんに負けないぐらいの剛速球で。
近くにいた真ちゃんはそんな俺を見てため息をつく。今更だけど真ちゃんが全体練習に参加してるなんて珍しい。そんなのワガママ三回使っちまったかなまえちゃんに言われたか、きっと後者だ。なんだかんだいって真ちゃんはなまえちゃんにかなわないところがある。

木村さんに渡ったボールが真ちゃんに回ってくる。真ちゃんはそのボールを高く打ち上げてゴールに入れた。そこでホイッスルが鳴り響く。
ふと時計を見ると練習が終わる頃、ついでに監督の方を見るとずっとノートとにらめっこしてるなまえちゃんの肩をぽんぽんと叩いた。それに肩が上下するなまえちゃん、監督に今日の練習終わったことを聞くとノートをほっぽってどこかに消えてしまう。


「なまえちゃんてすっごいよなー」


素直な感想を口にしてみた。すると真ちゃんがこちらを見る。俺はそれに気づいて続けた。


「いやさ、俺たちの練習中はつきっきりだし雑用もこなしてるなまえちゃんはすごいなーってさ」

「それがあいつの取り柄なのだよ」

「なまえちゃんは昔っから頑張り屋さんだったってこと?」

「...。...そうだな」


...なんだよ今の間、すっげぇ気になるんだけど。問い詰めようと一歩踏み出したところで、タオルとドリンクが差し出された。そっちの方を見てみると満面の笑みのなまえちゃんがいた。


「高尾くんも真太郎くんも、今日の練習お疲れさま!」


うちのマネージャーは本当にすごい。
練習中は俺たちのことちゃんと見ててくれてアドバイスくれるし、休憩中だってタオル配ったり頑張ってるし、いっつも一緒に帰ってる真ちゃんの居残り練習待ってる時は明日の練習のこと考えてくれてたり、何よりいつも変わらない笑い顔で俺たちに元気をくれる。

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