「じゃあお先に失礼しまっす!」

「お、お疲れ様です!」

「なのだよ」


後輩の様子が忙しない。というか緑間最後のなんだ。


「緑間が自主練しないのなんて珍しいな。」


なんて大坪がこぼしす。
それどころじゃねえ、きっと明日は雨だ。というか槍が降ってきてもおかしくない。ちくしょう、最後の試合前になんて縁起のないことしてくれんだ!

思い返せば今日の部活中もおかしかった。
いつも通り肩をたたかなくちゃ気付かない燈山は俺に気付くと必要以上に慌てて。高尾は俺の顔を見ただけで吹きだすし。緑間はいつも以上に自分勝手。まったくなんだってんだ!


「...何企んでるんだろうな」


木村も今日のあいつらが気になったらしく、そう口にした。
頭のいい緑間に、なんだかんだで機転のきくみょうじに、良からぬことばかり思いつく高尾、なんてメンバーが手を組んだんだろう。普段ならああまた仲良くやってんななんて気楽にいれるのに。こうあからさまにされると不安通り越してムカついてくる。


「今は明日の試合に集中だな。...最後の試合なんだから。」

「...おう、」


...明日は俺たちの最後の試合だ。メンバーも全員三年。
どこの相手もきっとみんな一緒だ。だから負けられねぇ。これが俺たちの、集大成なんだからな。
心のわだかまりが取れないまま、俺たちの時間は進んでいく。

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