▽木村先輩の場合




締め切った窓の向こうが騒がしい。外で体育でもしてんのか?そういやさっき宮地がずっと外眺めてたな。なんだ、面白いことでもやってんのか?

...面白いことと言えばこの間同じ学年の奴の告白台無しにしてきたな。昼休みになって急に宮地が「すぐパイナップル持ってこい」なんて無茶言うもんだから何事かと思った。おかげでで五時間目は出席出来ていない。
とうかこの時期にパイナップル持ってこいとか無茶もいいところだ。青々としたのしかない。まあいつものことだから緑間とか高尾辺りを殴りに行くんだろうな、とか思ってたが実際はそんな生易しいもんじゃなかった。
放課後になって部活のために体育館に行けば裏の扉が開いていた。開けることなんて滅多にないからなんかあったのかと思ってるとその近くには緑間が立っていた。扉の向こう、所詮体育館裏にはみょうじと、誰だあいつ。とりあえずひと目で修羅場だってことはわかった。
すると宮地は俺の抱えた段ボールの中からパイナップルを掴みその修羅場に突っ込んでいった。ああそういうところはやっぱり宮地なんだなって俺も段ボールそっちのけで中身を掴んで後を追った。

というかうちのみょうじ放課後に体育館裏に呼び出しとか、それなんて嫌がらせ?
あのときはそれはもう、清々しいまでに日頃のストレスを発散させてもらった。まあそのあと監督から追加メニューを与えられたことはもう忘れたい。

なんて思い出してたらチャイムが鳴った。あ、やべ、ノート写してねえ。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -