▽宮地先輩の場合




気付けば期末テストが近づいていた。三年は卒業もあるし受験もあるから下級生より少しだけ時期が早い。テスト期間が始まれば部活は中止、バスケ部も例外じゃないわけで、特に三年はテスト前にある地区大会で引退だ。

授業はテスト前だってことで範囲を中心に黒板にはみっしりと書かれた数式。出来ないわけではないが見るだけでだるくなってくる。
何気なく窓の外を見てみれば一年が校庭で体育の授業中だ。こっからでも見える長身の緑頭。あいつしかいない。
いいな一年は。俺たちがこんなに苦しんでるのにドッヂボールかよ。というか男女一緒なんだな。あ、今すっげえボールの投げ方したの絶対高尾だ。
あいつらのクラスならみょうじもいるはずだ。といっても目立つあいつらと違うから見つかるかわからん。

...て、なに後輩のこと探してんだよ、俺

部活中は轢き殺したいぐらい生意気な後輩なにの。まあ最近じゃ随分ましになった方だけど、ワガママ三回制はいい加減取りやめていいと思うんだ。
でも、まあ、悔しい思いもしたけど、なんだかんだ楽しかったから、よしとしておこうと思う。
...思うだけだ、思うだけ。絶対面と向かって言ってやんねぇ。言ったら言ったで調子にのりそうだから。特に高尾。

あ、女子がボールとった。おおすげぇと思った途端そのボールを緑頭に渡していた。ボールを受け取った緑頭はそのボールを相手コートに思い切り投げつけたいた。あれ絶対みょうじだろ。
というかこのチームやばくね?緑間に高尾にみょうじいて、なんだこれ、バスケ部チームか?もっと考えてチーム分けてやれよ。相手が哀れになってくる。

あ、俺も授業中だった。ふと黒板に目を戻せばさっき見たときよりずっと先に進んでる。
ああもうあいつらみてたら追いつけなくなりそうじゃねえか!まじ轢き殺す!

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